ファクタリングの手数料・相場 完全ガイド

ファクタリングの手数料・相場 完全ガイド

ファクタリング手数料の相場(即日対応でも変わる)のガイドです。資金繰り、資金調達のコストとして必要な売掛金額に対する割合について詳細に説明しました。

ファクタリングの手数料・相場 完全ガイド

ファクタリングの手数料・相場の完全ガイドでは、ファクタリングに失敗しないための情報をまとめました。

 

ファクタリングのアンケート調査でも、失敗したという理由で手数料の高さをあげる人が多かったです。

 

調査対象:ファクタリング利用経験のある経営者・役員 118名
• 主な結果:
• 36.44%が「失敗した経験あり」
失敗理由トップは「手数料が高かった」
• 利用頻度は「3年以上前」が最多
【経営者・役員118人に聞いた】ファクタリングに関するアンケート調査結果

 

せひファクタリングの手数料・相場について参考にしてください。

 

ファクタリング手数料の相場(即日対応でも変わる)

 

ファクタリングを利用する上で最も気になるのが手数料です。手数料はファクタリング会社の利益となる部分であり、利用者にとっては資金調達のコストとなります。手数料が高すぎると、せっかく資金調達しても手元に残る金額が少なくなってしまい、資金繰りの改善効果が薄れてしまいます。

 

ファクタリングの手数料は、融資の金利とは性質が異なります。融資の場合、年利で表示され、借入期間に応じて利息が計算されます。例えば、年利5%で100万円を1年間借りれば、利息は5万円です。一方、ファクタリングの手数料は「売掛金額に対する割合」で一回限りの費用です。100万円の売掛金を手数料10%でファクタリングした場合、10万円が手数料として差し引かれ、90万円が入金されます。

 

手数料率は、ファクタリングの種類(2社間か3社間か)、売掛先の信用力、売掛金の金額、支払期日までの期間、申込企業の信頼性、ファクタリング会社の方針など、様々な要因によって変動します。一般的に、リスクが低いほど手数料は安くなり、リスクが高いほど手数料は高くなる傾向があります。

 

また、即日対応を希望する場合、手数料が若干高めに設定されることもあります。スピード対応には、審査担当者の優先的な配置、時間外対応、システムの優先処理などのコストがかかるためです。ただし、極端に高くなるわけではなく、通常よりも1〜3%程度高くなる程度です。

 

2社間の相場

 

2社間ファクタリングの手数料相場は、一般的に10%〜30%程度です。これは3社間と比較するとかなり高めに設定されています。なぜこれほど高いのか、その理由を理解しておくことが重要です。

 

2社間ファクタリングでは、売掛先に知られることなく取引できる反面、ファクタリング会社にとってのリスクが高くなります。具体的には、売掛先からの入金を申込企業が一旦受け取り、それをファクタリング会社に支払うという流れになります。この仕組みでは、申込企業が入金を受け取った後、ファクタリング会社に支払わないというリスクがあります。
また、売掛先が倒産して入金がなかった場合でも、3社間と違って直接確認できないため、リスク管理が難しいのです。さらに、債権譲渡登記の費用(5万円〜10万円程度)が発生することも多く、これらのコストも手数料に反映されます。

 

手数料率の幅が大きいのは、条件によって大きく変動するためです。最も手数料が安くなるケース(10%〜15%程度)は、以下のような条件が揃った場合です。売掛先が上場企業や大手企業である、売掛金額が比較的大きい(500万円以上)、過去に取引実績があり、入金履歴が良好、支払期日まで1ヶ月以内、申込企業との継続取引などです。

 

手数料が高くなるケース(20%〜30%程度)は、売掛先が中小企業で信用調査が困難、初回取引の売掛金である、売掛金額が少額(50万円以下)、支払期日まで2ヶ月以上ある、申込企業が初めての利用といった条件が重なった場合です。

 

具体的な例で見てみましょう。100万円の売掛金を手数料15%でファクタリングした場合、手数料は15万円、入金額は85万円となります。同じ100万円を手数料25%でファクタリングした場合、手数料は25万円、入金額は75万円です。手数料率10%の差で、受け取れる金額が10万円も変わってしまいます。

 

少額のファクタリング(50万円以下など)の場合、手数料率が高めに設定される傾向があります。ファクタリング会社にとっては、金額が小さくても審査や契約の手間は変わらないため、採算を確保するために手数料率を上げるのです。50万円を手数料20%でファクタリングすると、手数料は10万円、入金額は40万円となります。割合としてはかなりのコストです。

 

即日対応を希望する場合の手数料は、通常よりも1〜3%程度高くなることがあります。例えば、通常であれば15%の案件が、即日対応では18%になるといった具合です。ただし、これはファクタリング会社によって異なり、即日でも通常料金という会社もあります。事前に確認しましょう。

 

2社間ファクタリングは、取引先に知られずに資金調達できるという大きなメリットがある反面、手数料が高いというデメリットがあります。このコストとメリットを天秤にかけて、自社にとって最適な判断をすることが重要です。

 

3社間の相場

 

3社間ファクタリングの手数料相場は、1%〜9%程度と、2社間よりもかなり低めです。この圧倒的な手数料の安さが、3社間ファクタリングの最大の魅力です。

 

3社間では、売掛先が取引に同意し、売掛金をファクタリング会社に直接支払う仕組みのため、ファクタリング会社のリスクが低いのです。申込企業が入金を受け取った後に支払わないというリスクがなく、売掛先から直接回収できるため、確実性が高くなります。債権譲渡登記も基本的に不要なため、そのコストもかかりません。

 

最も手数料が安くなるケース(1%〜3%程度)は、売掛先が上場企業や公的機関である、売掛金額が高額(1000万円以上)、継続的な取引関係がある、売掛先との関係が良好で承諾がスムーズといった条件です。

 

例えば、1000万円の売掛金を手数料2%でファクタリングした場合、手数料は20万円、入金額は980万円です。同じ1000万円を2社間で手数料15%でファクタリングすると、手数料は150万円、入金額は850万円となり、実に130万円もの差が生まれます。高額案件ほど、3社間のコストメリットは大きくなります。

 

手数料がやや高めになるケース(7%〜9%程度)は、売掛先が中小企業である、売掛金額が比較的少額(100万円以下)、初回取引といった条件です。それでも2社間と比べれば大幅に安いです。

 

ただし、3社間ファクタリングには大きなデメリットがあります。それは、売掛先に「ファクタリングを利用している」ことが知られてしまう点です。取引先によっては、「資金繰りが厳しいのでは?」と心配され、今後の取引に影響が出る可能性があります。

 

また、売掛先の承諾を得るプロセスに時間がかかるため、即日入金は困難です。売掛先の担当者と連絡を取り、説明し、社内で検討してもらい、承諾を得るというプロセスには、最短でも数日、場合によっては1〜2週間かかることもあります。

 

売掛先が承諾してくれない場合、そもそも3社間ファクタリングは利用できません。「当社は債権譲渡には応じられません」という方針の企業もあります。取引基本契約書に「債権譲渡禁止条項」が含まれている場合、3社間ファクタリングは契約違反となるため利用できません。

 

3社間ファクタリングは、手数料を抑えたい、時間に余裕がある、取引先との関係が良好で理解が得られるという条件が揃った場合に有効な選択肢です。コストを最優先するなら、3社間を検討する価値は十分にあります。

 

手数料が決まる仕組み(なぜ差が出る?)

 

ファクタリングの手数料は、一律ではなく、様々な要因によって変動します。同じ100万円の売掛金でも、手数料10%の場合もあれば、25%の場合もあります。この差がどのように生まれるのか、その仕組みを理解することで、より有利な条件を引き出すことができます。

 

ファクタリング会社は、「この売掛金を買い取って、確実に回収できるか」というリスクを総合的に判断して手数料を決定しています。リスクが低ければ手数料は安く、リスクが高ければ手数料は高く設定されます。では、具体的にどのような要因がリスクに影響し、手数料を左右するのでしょうか。

 

売掛先の信用度

 

手数料を決定する上で最も重要な要因が、売掛先企業の信用度です。ファクタリング会社にとって、売掛金が確実に支払われるかどうかが最大の関心事ですから、売掛先の信用力が手数料に直結します。

 

上場企業や大手企業が売掛先の場合、倒産リスクが極めて低く、支払能力も高いため、手数料は最も安くなります。トヨタ、ソニー、NTTといった誰もが知る大企業であれば、支払いの確実性はほぼ100%と判断されるため、手数料は2社間でも10%〜12%程度、3社間なら1%〜3%程度に抑えられることがあります。

 

公的機関が売掛先の場合も、手数料は非常に安くなります。国、地方自治体、公立病院、公立学校などは、倒産リスクがゼロに近いため、最も信用力が高いと評価されます。公共工事の請負代金や、自治体向けのサービス提供の売掛金などは、審査もスムーズで手数料も低めです。

 

中小企業が売掛先の場合、信用調査の結果によって手数料が変動します。帝国データバンクや東京商工リサーチなどのデータベースで、高評価の企業であれば、手数料は比較的低めに設定されます。業歴が長く、売上が安定しており、財務内容が健全な企業であれば、中小企業でも信用力は高いと判断されます。

 

逆に、設立間もない企業、赤字が続いている企業、債務超過の企業、業績が悪化傾向にある企業が売掛先の場合、倒産リスクが高いと判断され、手数料は高めに設定されます。場合によっては、審査に通らないこともあります。

 

業種による差もあります。建設業、運送業、飲食業など、倒産率が比較的高い業種の企業が売掛先の場合、やや慎重に審査され、手数料も高めになる傾向があります。一方、医療機関、士業(弁護士、税理士など)、ITサービス業など、安定した業種は評価が高くなります。

 

売掛先との取引実績も重要です。初回取引の売掛金よりも、継続的に取引があり、過去に問題なく入金されている実績がある方が、手数料は安くなります。通帳記録で、毎月定期的に入金があることが確認できれば、「この取引は今後も続き、支払いも確実」と判断されるためです。

 

過去の支払状況も確認されます。通帳記録で、売掛先からの入金が期日よりも遅れている履歴があると、支払管理が甘い企業と判断され、手数料が高くなったり、審査に通らなかったりすることがあります。逆に、常に期日通り、あるいは期日よりも早く入金されている実績があれば、プラス評価となります。

 

このように、売掛先の信用度が手数料の大部分を決定します。手元に複数の売掛金がある場合、最も信用力の高い売掛先の案件を優先的にファクタリングすることで、手数料を抑えることができます。

 

入金サイト・債権の内容

 

売掛金の支払期日までの期間(入金サイト)も、手数料に大きく影響します。支払期日が近いほど手数料は安く、遠いほど手数料は高くなる傾向があります。

 

支払期日まで1ヶ月以内の売掛金は、リスクが最も低いと判断されます。その短期間で売掛先の経営状況が大きく変化する可能性は低いため、手数料は低めに設定されます。

 

支払期日まで2〜3ヶ月の場合、一般的な手数料率となります。多くの企業の支払サイトは30日〜60日程度ですので、このレンジが最も標準的です。
支払期日まで6ヶ月以上の長期の売掛金は、その間に何が起こるか予測できないため、リスクが高いと判断され、手数料は高めになります。場合によっては、取り扱ってもらえないこともあります。一般的には、支払期日まで3ヶ月以内の売掛金が望ましいとされています。

 

売掛金の金額も手数料率に影響します。一般的に、金額が大きいほど手数料率は低くなります。これは、ファクタリング会社にとって、審査や契約の手間は金額によらずほぼ同じだからです。

 

50万円の売掛金では手数料率20%でも、500万円になれば12%、1000万円なら10%といった具合です。金額が大きくなると、手数料率が下がっても、ファクタリング会社の実際の利益額(絶対額)は増えるため、率を下げても採算が取れるのです。

 

逆に、少額の売掛金(30万円以下など)は、手数料率が高めに設定されるか、そもそも取り扱ってもらえないことがあります。審査コストや事務コストを考えると、少額案件では採算が取れないためです。

 

債権の種類も影響します。一般的な商品販売やサービス提供の売掛金は、標準的な手数料率が適用されます。診療報酬債権(医療機関の売掛金)は、支払元が社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会という公的機関のため、非常に信用力が高く、手数料は低めです。

 

建設業の工事代金債権は、下請け・孫請けの場合、元請けが倒産すると回収できなくなるリスクがあるため、やや慎重に審査され、手数料も標準よりやや高めになることがあります。ただし、元請けが大手ゼネコンなどの信用力の高い企業であれば、問題ありません。

 

売掛金の分割の有無も確認されます。1つの取引で1回の入金がある単純な売掛金の方が、審査はシンプルです。1つの契約で複数回に分けて入金される売掛金(例:システム開発で、着手金、中間金、完了金と3回に分けて入金)の場合、すべての入金が完了するまでリスクが続くため、やや複雑な判断が必要です。

 

債権の法的な確実性も重要です。契約書がしっかり作成されており、請求書も正式に発行されている売掛金は、法的にも確実性が高いと判断されます。口頭での約束だけ、メールでのやり取りだけといった場合、証拠が弱いため、審査で不利になることがあります。

 

これらの要因を総合的に判断して、ファクタリング会社は手数料を決定しています。利用者側としては、支払期日が近い、金額が適度に大きい、契約書や請求書が整っている売掛金を選ぶことで、より有利な条件を引き出すことができます。

 

見積書のチェック項目(必須)

 

ファクタリング会社から見積書を受け取ったら、契約前に必ず内容を詳細に確認する必要があります。見積書の読み方を知らないと、思わぬ追加費用が発生したり、不利な条件で契約してしまったりするリスクがあります。ここでは、見積書で必ずチェックすべき項目について解説します。

 

見積書は、契約内容の骨格を示す重要な書類です。ここでしっかり確認しておけば、契約後に「こんなはずではなかった」というトラブルを防ぐことができます。不明点があれば、遠慮なく質問しましょう。

 

総費用内訳(手数料・振込・登記)

 

見積書を受け取ったら、まず「買取金額」「手数料」「入金額」の3つを確認します。この3つの関係を正確に理解することが、見積書を読む第一歩です。
買取金額は、売掛金の額面です。例えば、100万円の請求書をファクタリングする場合、買取金額は100万円です。これは変動しません。

 

手数料は、ファクタリング会社に支払う費用です。手数料率と手数料額の両方が記載されているはずです。例えば、「手数料率15% 手数料額15万円」といった具合です。この数字が妥当かどうかを、前述の相場と照らし合わせて確認しましょう。

 

入金額は、実際に振り込まれる金額です。基本的には「入金額=買取金額−手数料−その他費用」という計算になります。100万円の買取金額で、手数料15万円、その他費用3万円の場合、入金額は82万円となります。

 

この計算式が合っているかを必ず自分で確認しましょう。計算ミスがあったり、記載されていない費用が差し引かれていたりすることもあります。

 

その他費用の内訳も詳しく確認が必要です。手数料以外にどのような費用が発生するのか、項目ごとに明示されているかをチェックします。

 

債権譲渡登記費用は、2社間ファクタリングで登記を行う場合に発生します。一般的に5万円〜10万円程度です。登記費用には、登記申請の実費(登録免許税など)と、司法書士報酬が含まれます。見積書に「登記費用7万円」といった記載があれば、内訳を確認しましょう。

 

登記が本当に必要なのか、省略できないのかも確認する価値があります。少額の取引では登記を省略するファクタリング会社もあります。「登記なしのプランはありませんか」と尋ねてみるのも一つの方法です。

 

事務手数料という項目がある場合、その内容を確認しましょう。契約書作成費用、書類郵送費用、振込手数料などが含まれることがあります。金額は数千円から数万円程度ですが、何に対する費用なのかを明確に説明してもらいましょう。

 

優良なファクタリング会社では、こうした細かい費用を手数料に含めていることが多く、追加で事務手数料を請求しないところもあります。逆に、不透明な「事務手数料」を高額で請求する業者は要注意です。

 

振込手数料が利用者負担となっているかも確認します。数百円程度の費用ですが、見積書に記載されているか、それとも入金額から差し引かれるのかを確認しましょう。

 

印紙代は、契約金額によって異なりますが、通常は数百円から数万円程度です。電子契約の場合は印紙代が不要なため、コスト削減になります。見積書に印紙代が含まれているか確認しましょう。

 

審査費用を請求するファクタリング会社もありますが、多くの優良会社では審査は無料です。審査費用を請求する会社は、それが業界標準なのかを確認し、他社と比較することをおすすめします。

 

契約解除費用については、見積書よりも契約書で確認することが多いですが、契約後にキャンセルする場合の取り扱いも事前に聞いておくと安心です。

 

見積書に「上記以外の費用は一切発生しません」といった記載があるかも重要なチェックポイントです。この記載があれば、後から追加費用を請求されるリスクは低いです。記載がない場合は、「この見積り以外に費用は発生しませんか」と明確に確認しましょう。

 

複数のファクタリング会社から見積りを取った場合は、手数料率だけでなく、実際の入金額で比較することが重要です。A社の手数料は12%だがその他費用が5万円、B社は手数料15%だがその他費用はゼロ、という場合、総額ではどちらが有利かを計算する必要があります。

 

100万円の売掛金で比較すると、A社は手数料12万円+その他費用5万円=総費用17万円、入金額83万円。B社は手数料15万円、入金額85万円。この場合、手数料率が高いB社の方が、実際には2万円多く受け取れることになります。

 

このように、見た目の手数料率だけで判断せず、実際の入金額で比較することが、損をしないための重要なポイントです。

 

償還請求権(リコース)の有無

 

見積書または契約書で必ず確認すべき重要項目が、償還請求権の有無です。これは、売掛金が回収できなかった場合に、利用者が返金義務を負うかどうかを定めたものです。

 

ノンリコース(償還請求権なし)とは、売掛先が倒産などで支払いができなくなった場合でも、申込企業がファクタリング会社に返金する義務がないという意味です。売掛金が回収できないリスクは、ファクタリング会社が負担します。

 

ほとんどの正規のファクタリング契約は、このノンリコースです。これがファクタリングの大きなメリットの一つであり、売掛先の倒産リスクを移転できるのです。

 

リコース(償還請求権あり)とは、売掛金が回収できなかった場合、申込企業が返金しなければならないという条件です。この場合、売掛先の倒産リスクは申込企業に残ったままです。

 

リコース契約は手数料が安い傾向にありますが、リスクが残るため、あまりおすすめできません。ファクタリングのメリットが半減してしまいます。見積書や契約書に「償還請求権あり」「リコース」といった記載がある場合は、慎重に検討しましょう。

 

契約書の中には、一見ノンリコースに見えて、実はリコースであるという巧妙な記載があることもあります。例えば、「売掛先の倒産時は返金不要だが、申込企業の責に帰すべき事由で回収できない場合は返金義務あり」といった条項です。

 

「申込企業の責に帰すべき事由」が何を指すのかが曖昧な場合、実質的にリコースと変わらない可能性があります。契約書の細かい条項まで丁寧に読み、不明点は必ず質問しましょう。

 

確認すべき質問として、「この契約はノンリコースですか、それともリコースですか」「売掛先が倒産した場合、私に返金義務はありますか」「どのような場合に返金義務が発生しますか」といったものがあります。明確に答えてくれる業者は信頼できます。

 

ノンリコースが原則ですが、不正行為があった場合は別です。売掛金の情報に虚偽があった、架空の売掛金だった、申込企業が意図的に売掛先の倒産を隠していたといった不正行為があった場合、契約違反となり、返金義務が発生します。これは正当な条項ですので、問題ありません。

 

償還請求権の有無は、ファクタリング契約の根幹に関わる重要事項です。見積書の段階で必ず確認し、契約書でも再度確認することをおすすめします。

 

「安い」広告の落とし穴

 

インターネットでファクタリング会社を検索すると、「手数料1%〜」「業界最安値」「他社より高ければ値引きします」といった魅力的な広告を目にすることがあります。資金繰りに困っている経営者にとって、少しでも手数料が安い会社を選びたいのは当然です。しかし、こうした「安い」広告には、思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。

 

手数料の安さだけで飛びつくと、実際には高額な追加費用を請求されたり、不利な契約条件を押し付けられたりするリスクがあります。ここでは、「安い」広告の裏に隠された注意点と、契約書で確認すべきポイントを詳しく解説します。

 

追加費用のパターン

 

「手数料1%〜」という広告を見て問い合わせたところ、実際には様々な追加費用が発生し、トータルでは他社より高くなってしまったというケースは少なくありません。広告の手数料は「最低料率」であり、実際にその料率が適用されるのは、極めて条件が良い場合だけです。

 

典型的な追加費用のパターンとして、まず審査費用があります。「手数料は安いですが、審査費用として5万円いただきます」といった説明がされることがあります。優良なファクタリング会社では審査は無料が一般的ですので、審査費用を請求すること自体が疑問です。

 

事務手数料の名目で、高額な費用を請求されるケースもあります。「契約書作成費用3万円、書類確認費用2万円、システム利用料2万円」といった具合に、細かい項目で積み上げられ、気づいたら10万円近い追加費用になっていたということもあります。

 

債権譲渡登記費用は正当な費用ですが、相場よりも高額に設定されている場合があります。一般的には5万円〜10万円程度ですが、中には15万円、20万円といった高額を請求する業者もあります。「司法書士の報酬が高い」といった説明がされますが、相場を大きく超える場合は要注意です。

 

保証料保険料という名目で費用を請求されることもあります。「万が一のリスクに備えるため」といった説明ですが、ノンリコース契約であればリスクはファクタリング会社が負うべきものであり、利用者が別途保証料を支払う必要性は疑問です。

 

振込手数料が異常に高いケースもあります。通常の銀行振込手数料は数百円程度ですが、「緊急対応のため特別な振込システムを使用する」といった理由で、数千円から1万円といった手数料を請求されることがあります。

 

契約期間の縛りがある場合も注意が必要です。「初回は手数料10%ですが、3ヶ月間で最低3回利用することが条件です」といった契約条件がある場合、実質的に継続利用を強制されることになります。途中で解約すると、高額な違約金を請求されるケースもあります。

 

見積りと請求額の相違も問題です。見積書では手数料15%、その他費用3万円と記載されていたのに、実際の入金を確認すると、さらに5万円が差し引かれていたというケースです。問い合わせると、「契約書に記載されていた追加費用です」と説明されますが、見積書に記載がなければ不当です。

 

こうした追加費用を避けるための対策として、見積り段階で総額を確認することが最も重要です。「この見積り以外に、一切費用は発生しませんか」「最終的な入金額はいくらですか」と明確に質問し、書面で回答をもらいましょう。

 

口頭での説明だけでなく、書面で確認することも大切です。「追加費用はありません」と口頭で言われても、契約書に記載がなければ証拠になりません。見積書や契約書に「本見積り以外の費用は一切発生しない」といった記載があることを確認しましょう。

 

複数社から見積りを取り、比較することも有効です。1社だけでは、その条件が妥当かどうか判断できません。3社程度から見積りを取り、手数料だけでなく、その他費用も含めた総額で比較しましょう。極端に安い会社や、極端に高い会社は避け、平均的な範囲の会社を選ぶのが安全です。

 

契約書で確認するポイント

 

見積り段階で内容を確認したとしても、最終的な契約内容は契約書に記載されます。契約書をしっかり読まずに署名してしまうと、後で「こんな条項があったとは知らなかった」ということになりかねません。契約書で必ず確認すべきポイントを解説します。

 

手数料と追加費用の総額が、見積書と一致しているかを確認しましょう。契約書には、買取金額、手数料率、手数料額、その他費用の内訳、最終的な入金額がすべて明記されているはずです。見積書と相違がないか、一つひとつ照合します。

 

償還請求権の有無は、契約書の中でも特に重要な条項です。「本契約はノンリコース(償還請求権なし)とする」という記載があることを確認しましょう。逆に、「売掛金が回収できない場合、乙(利用者)は甲(ファクタリング会社)に返金する義務を負う」といった記載があれば、リコース契約です。

 

ノンリコースであっても、例外条項に注意が必要です。「ただし、乙の責に帰すべき事由により回収不能となった場合はこの限りでない」といった条項がある場合、どのような場合が「乙の責に帰すべき事由」に該当するのかを確認しましょう。曖昧な記載は、後々のトラブルの原因になります。

 

債権譲渡の対象が正確に記載されているかも確認します。売掛先の社名、請求書の番号、債権金額、支払期日などが、実際の売掛金と一致しているかをチェックしましょう。記載ミスがあると、法的な効力に影響する可能性があります。

 

入金後の処理(2社間の場合)についても、明確に記載されているはずです。「売掛先からの入金があった場合、乙は○営業日以内に甲に支払うものとする」といった条項です。支払期限、支払方法、支払先口座などを確認し、確実に対応できるようにしましょう。

 

遅延損害金の条項も重要です。2社間ファクタリングで、売掛先からの入金後、ファクタリング会社への支払いが遅れた場合の遅延損害金が定められています。「年率14.6%」といった記載が一般的ですが、極端に高い利率(年率20%以上など)が設定されている場合は要注意です。

 

契約解除の条件も確認しましょう。どのような場合に契約が解除されるのか、解除された場合の処理はどうなるのかが記載されています。「乙が反社会的勢力と関係があることが判明した場合」「虚偽の申告があった場合」といった条項は正当ですが、「甲が必要と認めた場合」といった曖昧な条項は問題です。

 

秘密保持条項があるかも確認します。ファクタリング会社は、利用者の情報を第三者に漏らさない義務を負うはずです。「甲は乙の情報を厳重に管理し、第三者に開示しない」といった条項があることを確認しましょう。

 

管轄裁判所の記載も見逃せません。万が一トラブルが発生し、裁判になった場合、どこの裁判所で審理されるかが定められています。ファクタリング会社の所在地を管轄する裁判所が指定されることが多いですが、遠方の場合、裁判に出廷するのが困難になる可能性があります。

 

契約書の言葉遣いにも注意しましょう。専門用語が多用され、理解しにくい契約書は要注意です。優良な業者は、利用者が理解しやすいように、平易な言葉で契約書を作成します。どうしても理解できない条項があれば、署名前に必ず質問しましょう。

 

契約書は必ず保管しておきます。PDFデータであれば、複数の場所(パソコン、クラウドストレージなど)に保存しておくことをおすすめします。紙の契約書であれば、コピーを取っておくと安心です。後で内容を確認する必要が生じた時に、すぐに参照できるようにしておきましょう。

 

契約書に署名・押印する前に、すべての条項を読み、理解することが絶対条件です。「長い契約書を読むのは面倒」「早く資金が必要だから、細かいことは後で」という気持ちはわかりますが、一度署名してしまうと、その内容に法的に拘束されます。数十分かけてでも、丁寧に確認することをおすすめします。

 

手数料を下げる実践策

 

ファクタリングの手数料は、ある程度交渉の余地があります。また、選択する契約形態や利用方法によっても、コストを抑えることができます。ここでは、手数料を下げるための実践的な方法を解説します。

 

ただし、手数料を下げることだけに固執するのは危険です。極端に安い手数料を提示する業者の中には、悪質な業者も存在します。適正な手数料で、信頼できる業者を選ぶことが、最も重要です。

 

複数見積り

 

手数料を下げる最も基本的で効果的な方法が、複数のファクタリング会社から見積りを取ることです。1社だけに問い合わせると、その会社の提示する条件が妥当かどうか判断できません。3〜5社程度から見積りを取ることで、相場感がつかめ、交渉材料も得られます。

 

見積りを取る際は、同じ条件で依頼することが重要です。売掛金の金額、売掛先の情報、支払期日、希望する入金日などを統一し、各社から出てくる見積りを公平に比較できるようにします。

 

見積りを比較する際は、手数料率だけでなく、実際の入金額で判断しましょう。前述の通り、手数料率が低くても、その他費用が高ければ、トータルでは不利になることがあります。100万円の売掛金に対して、実際にいくら入金されるのかという「入金額」で比較することが正確です。

 

複数の見積りを取ったら、交渉材料として活用できます。「A社では手数料12%と言われましたが、御社ではどうでしょうか」といった交渉です。ファクタリング会社も、他社に顧客を取られたくないため、可能な範囲で条件を改善してくれることがあります。

 

ただし、過度な値引き要求は逆効果です。「A社は10%なので、御社も10%にしてください」と強引に迫ると、「それではA社をご利用ください」と断られることもあります。「もう少し手数料を下げていただけないでしょうか」といった丁寧な交渉を心がけましょう。

 

継続利用を前提とした交渉も効果的です。「今後も定期的に利用する予定ですので、長期的な取引として、手数料を優遇していただけませんか」という交渉です。ファクタリング会社にとって、継続的な顧客は貴重ですので、初回から優遇してくれる可能性があります。

 

金額の大きい案件であれば、交渉の余地は大きくなります。1000万円以上の高額案件では、手数料率1%の違いでも10万円以上の差になるため、ファクタリング会社も柔軟に対応してくれることが多いです。

 

見積りを取る際は、信頼できる会社に絞ることも大切です。インターネット上には数多くのファクタリング会社がありますが、中には悪質な業者も存在します。会社の実態が不明、口コミが極端に悪い、連絡先が携帯電話だけといった会社は避けましょう。

 

見積り自体は無料ですので、気軽に複数社に問い合わせて問題ありません。ただし、同じ売掛金を複数社に実際に申込む(契約する)ことは二重譲渡となり違法ですので、あくまで見積り比較の段階に留めることを忘れないでください。

 

3社間を検討

 

手数料を大幅に下げる最も効果的な方法が、3社間ファクタリングを選択することです。前述の通り、3社間の手数料相場は1%〜9%程度と、2社間の10%〜30%と比べて圧倒的に安くなります。

 

特に高額案件では、3社間を選ぶことによるコスト削減効果は絶大です。1000万円の売掛金を2社間で手数料15%でファクタリングすると、手数料は150万円です。同じ案件を3社間で手数料3%でファクタリングすれば、手数料は30万円となり、120万円もの差が生まれます。

 

3社間を選択できるかどうかは、売掛先との関係性にかかっています。長年の取引があり、信頼関係が築けている取引先であれば、「一時的な資金繰り対策としてファクタリングを利用したい」と正直に説明することで、理解を得られる可能性があります。

 

説明の仕方も重要です。「経営が厳しくて」という否定的な説明よりも、「新規事業への投資資金を確保したい」「設備投資のタイミングを早めたい」といった前向きな説明の方が、取引先も安心します。

 

3社間ファクタリングを利用する際は、事前に取引先の反応を探ることも一つの方法です。「当社では資金繰りの効率化のために、ファクタリングの利用を検討しているのですが、御社では債権譲渡に応じていただけますか」と打診してみましょう。否定的な反応であれば、無理に進めずに2社間を選択すべきです。

 

取引基本契約書を確認することも必要です。契約書に「債権譲渡禁止条項」が含まれている場合、3社間ファクタリングは契約違反となるため利用できません。条項がある場合でも、取引先に相談して、個別に承諾を得られれば利用できることもあります。

 

3社間のデメリットである時間がかかるという点は、事前準備で軽減できます。あらかじめ取引先に説明し、承諾を得ておけば、実際にファクタリングを利用する際にスムーズに進みます。「今後、必要に応じてファクタリングを利用することがあるかもしれませんので、その際はご協力をお願いします」と事前に伝えておくと良いでしょう。

 

公的機関や大手企業が売掛先の場合、3社間ファクタリングに慣れている可能性が高いです。建設業界では、下請け企業がファクタリングを利用することは珍しくなく、元請け企業も理解があることが多いです。業界の慣習も考慮しながら検討しましょう。

 

ただし、3社間を選ぶことで取引先との関係が悪化するリスクも考慮する必要があります。「資金繰りが厳しいのでは」「今後の取引は大丈夫か」と心配され、取引条件が厳しくなったり、取引自体が打ち切られたりする可能性もゼロではありません。取引先との関係を慎重に見極めた上で判断しましょう。

 

初回は2社間、2回目以降は3社間という段階的なアプローチも一つの方法です。まず2社間で利用してファクタリングの仕組みを理解し、ファクタリング会社との信頼関係を築いた上で、取引先に説明して3社間に移行するという戦略です。

 

手数料を下げることは重要ですが、自社にとって最適な選択をすることがより重要です。手数料を抑えるために3社間を選んだ結果、取引先との関係が悪化しては本末転倒です。コストとリスクのバランスを考えながら、総合的に判断しましょう。

 

違法になり得る取引(給与ファクタリング)

 

ファクタリング自体は合法的な金融サービスですが、一部には違法性のある取引や、ファクタリングを装った悪質な貸付行為も存在します。特に注意が必要なのが「給与ファクタリング」です。ここでは、絶対に関わってはいけない違法な取引について解説します。

 

絶対に関わらない理由

 

給与ファクタリングとは、個人の給与債権を買い取るとして、給料日前に現金を提供し、給料日後に給与から返済させるというサービスです。「給料の前借りができる」「即日で現金が手に入る」といった宣伝で、資金繰りに困っている個人を勧誘します。

 

しかし、給与ファクタリングは実質的には貸金業であり、貸金業登録をせずに行えば違法です。金融庁も2020年3月に「給与ファクタリングは貸金業に該当する」という見解を示しており、複数の業者が摘発されています。

 

給与ファクタリングの問題点は、極めて高い手数料です。例えば、20万円の給与債権を買い取るとして、実際に受け取れるのは15万円といったケースがあります。手数料5万円、率にして25%です。これを年利に換算すると、数百%という法外な利率になります。貸金業であれば利息制限法違反です。

 

また、給与は労働基準法により直接払いの原則があり、使用者から労働者に直接支払われなければなりません。第三者に給与債権を譲渡することは、この原則に反する可能性があります。

 

給与ファクタリング業者の中には、取り立てが悪質なケースもあります。支払いが遅れると、職場に電話をかけてくる、家族に連絡する、SNSで個人情報を晒すといった違法な取り立て行為が報告されています。

 

一度利用すると抜け出せなくなる危険性もあります。高額な手数料を支払った結果、生活費が不足し、また給与ファクタリングを利用する。この悪循環に陥り、多重債務状態になってしまうのです。

 

企業向けの正規のファクタリングと給与ファクタリングは全く別物です。正規のファクタリングは、企業が保有する売掛債権(請求書)を買い取るサービスであり、合法的です。給与ファクタリングは、個人を対象とした違法な貸付行為です。

 

給与ファクタリングを見分けるポイントとして、個人向けであること給与を担保・原資とすること異常に高い手数料貸金業登録番号の記載がないといった特徴があります。こうした業者を見つけたら、絶対に利用してはいけません。

 

もし給与ファクタリングを利用してしまった場合、または勧誘を受けた場合は、すぐに専門機関に相談しましょう。消費生活センター(188)、法テラス、警察などが相談窓口となっています。違法な取り立てを受けた場合は、証拠(録音、メールなど)を保存し、警察に相談することをおすすめします。

 

企業向けの正規のファクタリングを利用する際も、貸金業登録の有無を確認することが安全策です。ファクタリングは貸金業ではないため、本来は登録不要ですが、信頼性の高い会社は貸金業登録をしていることもあります。会社のホームページに「貸金業登録番号:○○財務局長(○)第○○号」といった記載があれば、正規の業者として登録されている証拠です。

 

ファクタリングを装った違法な貸付にも注意が必要です。「ファクタリング」と名乗りながら、実際には高金利の貸付を行う業者もいます。見分けるポイントは、担保や保証人を要求される、契約書に「貸付」「返済」といった言葉がある、リコース(償還請求権あり)が前提となっているといった点です。

 

正規のファクタリングは、売掛債権の売買取引であり、返済という概念はありません。担保や保証人も不要です。契約書に「債権譲渡契約」と記載され、ノンリコースが原則です。これらに当てはまらない場合、ファクタリングを装った違法な貸付の可能性があります。

 

資金繰りに困っている時こそ、冷静な判断が必要です。「今すぐ現金が必要」という焦りにつけ込む悪質業者は数多く存在します。信頼できる正規のファクタリング会社を選び、適正な手数料で、合法的に資金調達することが、自社と自分自身を守る唯一の方法です。