アプカス プロジェクト

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指圧マッサージサロン「Thusare トゥサーレ」の運営と視覚障がい者の雇用促進を目指した体制強化
(スリランカ西部州コロンボ県)

1. 現況

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1-1 背景
 日本では、求職している障がい者の内、40%が就職しているが、スリランカでは、就職サポートなどの自立支援が行き届いていないことに加え、障がい者に対する偏見が強くあるため、障がい者全体の就職率は1割弱である。中でも、視覚障がい者の就職率は、聴覚障害者・肢体不自由者と比べるとその約半分であり、より厳しい状況となっている。
 この課題への一つの解決策として、国立障がい者職業訓練校では2009年より、視覚障がい者を対象としたマッサージ師養成コースを始めた。2010年の時点で、4名の視覚障がい者がコースを修了していたが、就職の受け入れ先が見つからず、厳しい現実に直面していた。視覚障がい者がマッサージ師として社会の中で自立して働くという文化は、多くの国で定着しつつある。しかし、スリランカでは今なお障がい者への根強い偏見や誤解があり、同職への就職率は限りなくゼロに近い状況であった。
 当法人では、2012年よりコロンボ市内に医療マッサージセンター“Thusare-Talking Hands-”の運営を開始し、職業訓練校の卒業生2名を雇用するとともに、技術やサービスの向上のための訓練を継続的に実施している。2013年には、新たに職業訓練校の卒業生2名に対して訓練を開始。また、職業訓練校では現在4名の訓練生が基礎訓練を受けており、2014年4月には卒業する見込みである。しかし、現在の医療マッサージセンターでは、設備・広さ等の課題により5名の雇用が限界であり、今後、訓練は可能であるが、彼らを雇用することが難しい状況となっている。また、技術力を高めるためには、教材や訓練内容の改善も必要である。当事業では、これらの課題解決の一歩として、設備・教材の充実化を進め雇用の確保を目指す。

1-2 マッサージサロン自立運営に向けての課題
①体系的なマッサージ技術の習得には、想定以上に多くの時間がかかり、専門家による長期的な指導体制、設備面での充実が必要である
②指圧マッサージ技術の向上だけではなく、視覚障がい者の人間的成長や家族関係も含め、ケアが必要である
③指圧マッサージセンターをビジネスとして自立発展するには、ターゲット層の選定、内容の差別化、指圧マッサージへの社会的認知の向上など多くの経営上の課題がある

2. 活動指針

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2-1 活動概要
①指圧マッサージセンター「Thusare トゥサーレ」の運営
②医療マッサージセンターの雇用キャパシティ拡大
③教材の充実化
④視覚障がい当事者および家族へのマッサージへの偏見の払拭
⑤視覚障がい者マッサージ師達の労働環境の向上
⑥医療マッサージについて社会に対する情報発信

2-2 受益者
視覚障がい者8名およびその家族38名

2-3 目的
【本事業の目標】
○視覚障がいマッサージ師4名が新たに雇用され、医療マッサージに関する技術と知識を向上させるとともに、社会的・経済的自立に向けた一歩を踏み出す
○スリランカ社会の中の「医療マッサージ」に関する認知度が向上する
○医療マッサージセンターの設備等の改善により、視覚障がい者が快適かつ効率の良いサービスを提供できるようになる

本事業の最大の成果は、4名の視覚障がい者が雇用されるということである。そのことにより、視覚障がい者本人およびその家族が“貧困層”から脱出し、社会的・経済的に自立への一歩を踏み出す。また、教材の充実化により、今までの弱点であった理論面での知識を身に付けることにより、知識と感覚を総合した高度な施術が可能となる。これは、視覚障がい者の自立心を高め、“プロフェッショナル”という意識を植え付けることにつながる。今まで、何かを「してもらう立場」で、常に家族や社会に対して負い目を感じて生きてきたが、マッサージ師になり「してあげる立場」となり、感謝される喜びを感じ、仕事に対して誇りを覚え、自分が人や社会に貢献することができることを実感していくことが、次の一歩を踏み出す活力となる。さらに、視覚障がい者がより快適に働ける環境づくりが進むことにより、質の高いサービスを顧客へ提供できるようになるとともに、より多くの視覚障がい者が働くためのモデルシステムとして、スリランカ社会に対して発信することができるようになる。また、情報発信を進めることにより、視覚障がい者に対する偏見を軽減させ、引きこもっている視覚障がい者が社会と接点を持つ一つのオプションを提示することができる。さらに、この事業を通して、行政・市民団体・民間セクターが協働で課題に取り組むモデルの提案にもつながる

【上位目標】
スリランカの視覚障がい者が医療マッサージ師として社会的・経済的に自立する

3. 活動内容

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3-1 実施期間

2014年4月>>2015年3月

3-2 活動内容
3-2. 指圧マッサージサロン「Thusare トゥサーレ」の運営
日本人の指圧マッサージ技術専門家を招へいし、継続的な向上を行いつつ、プロフェッショナルのマッサージ師として必要な精神的な成長へのケアも行う

3-2. 医療マッサージセンターの雇用キャパシティ拡大
現在のセンターに隣接する建物の一部を利用し、施術用ベッド3台、フットマッサージ用チェアー1台を設置し、最大10名の雇用が可能となるようにする。これらの設置に向け、顧客、マッサージ師に対してアンケート調査を実施し、施術用ベッドやチェアーの問題点を洗い出し、設置場所を含めて必要な個所を改善し、より快適な労働環境とサービスの提供が可能なマッサージセンターをつくる

3-2. 教材の充実化
人体骨格標本1体およびパソコン2台(音声ガイド付き)を設置し、より効果的な学習ができるような環境を作る。人体骨格標本は、視覚障がい者が触りながら器官、骨格、筋、関節、神経がどこにあるのかを学ぶために重要であり、保健省の協力の下、15回の講座においてこれらの基礎を学習する。パソコンは、施術の記録や語学学習に活用され、点字よりも効率よく作業を進めることができる。パソコンの操作については当法人の職員が週に1度講座を行い、基礎的な操作方法からインターネット利用をした情報収集までを習得できるようにする

3-2. 視覚障がい当事者および家族へのマッサージへの偏見の払拭
社会福祉省管轄の障がい者職業訓練センターと連携し、視覚障がい者とその家族を対象にワークショップや技術紹介の機会を設け、“マッサージ師”という職業についての理解を促進する

3-2. 視覚障がい者マッサージ師達の労働環境の向上
視覚障がい者の動線に合わせて、センター内の配置を再検討し、段差や壁などがある手間に点字ブロックのようなものを設置し、弱視のマサージ師向けに適切なライトの設置を行う。また、休憩する場所の確保を行うとともに、椅子や机、扇風機、顧客が到着したことを知らせる無線センサーベルの設置を行い、より効率よく快適に労働および学習ができる環境づくりを進める

3-2. 医療マッサージについて社会に対する情報発信
コロンボに続く都市、中部州キャンディ市において社会福祉省と協同で、視覚障がい者およびその家族を対象に「視覚障がい者がマッサージ師として働くことの勧め」として、説明会を実施する。説明会では、職業訓練センターの紹介および実際にマッサージ師として活躍している視覚障がい者による体験談の紹介とマッサージのデモンストレーションを行う。
また、全国紙の広告欄を利用し5回にわたり医療マッサージの広告を掲載するとともに、通常の記事としても取り上げてもらえるよう交渉し、シンハラ語、タミル語、英語の各言語においての掲載を目指す

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3-3 カウンターパート
シードゥワ障がい者職業訓練センター
スリランカ盲人協会

3-4 関連機関
スリランカ社会福祉省
経済開発省観光局
アーユルベーダ局
コロンボ大学伝統医学研究所
保健省
伝統医学省

3-5 メンバー
石川 直人(スリランカ現地コーディネーター)
見富 宏美(スリランカ現地コーディネーター)
伊藤 俊介(日本事務所コーディネーター)
ローハン バンダーラ(外部アドバイザー/医師)
笹田 三郎(外部アドバイザー/マッサージ鍼灸技術専門家)

3-6 予算

調整中

当活動は、公益財団法人 大阪コミュニティ財団『がっこう基金』より助成を受け、実施されます。

※社会起業として、最終的には自立運営を目指します

4. 活動報告

4-1 店舗情報&問い合わせ

大きな地図で見る

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住所:
103/12, Dharmapala Mawatha,Colombo07, Sri Lanka
電話:
+947798966183
メール:
thusare.talkinghands@gmail.com

旅行やお近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りください!
当会の問合せフォームからもお問い合わせ可能です。

LinkIconアプカス問い合わせフォーム


4-2 実施レポート
【トゥサーレのリーフレット(英語版)が完成しました】
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LinkIconトゥサーレ Thusare flyer English

【フェイスブックページ始めました。トゥサーレの取り組みをぜひ応援して下さい!】
thusare_facebook.jpgトゥサーレfacebookページ始めました。ぜひ、ご覧ください。
LinkIconトゥサーレ Thusare Facebook Page

【The Sunday Timesに掲載】
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スリランカの新聞"The Sunday Times"に「They may have lost their sight but not their touch」という記事で、アプカスとトゥサーレの取り組みが紹介されました。

LinkIconThe Sunday Times 「They may have lost their sight but not their touch」



4-3 担当者レポート
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【グッドマーケット2013年社会インパクト賞をいただきました】

1459883_754522914576175_1053204132_n.jpg2013年度から、毎週2回、マッサージサロンを飛び出し、「グッドマーケット(環境や文化、社会的弱者に配慮した商品やサービスが購入できる週2回の青空市)」と青空市場のイベントに継続的に出店して、指圧マッサージのお試し施術を行っています。
地道ではありますが、少しずつ「指圧マッサージへの認知」や「視覚障がい者の雇用の場」が、トゥサーレの取り組みで広がっています。マッサージ師の若者にとっても、様々な人と交流し、よい刺激になっているようです。
昨年は、その取り組みが評価されて、100近くある取り組みの中から、グッドマーケットの「社会インパクト賞」をいただきました。

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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~2013)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)

LinkIcon生ゴミの堆肥化と有機農産物ブランド化を通した零細農家の収入向上と持続可能な社会のモデルづくり(2014)

LinkIcon指圧マッサージサロン「Thusare トゥサーレ」の運営と視覚障がい者の雇用促進を目指した体制強化(2014)

LinkIconバウラーナ長屋再生プロジェクト(2014)

LinkIcon旧紅茶生産地における小規模酪農普及による貧困削減(2014)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)