アプカス プロジェクト

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乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減
(スリランカ中部州キャンディ県デルトタ郡バウラーナ村)

現況

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1 背景:
スリランカ全人口の85%以上が農村部に居住し、GDP全体に対する農業分野の割合は15%を占めるとともに就労人口の34%が農業に従事している。貧困層の約95%は農漁村地域、プランテーション農園地域を中心に分布し、農業の停滞が貧困問題の大きな要因となっている。そんな中、平成24年度事業予定地の一つであるバウラーナ村では、平成23年度国際ボランティア貯金寄附金の配分を受け、135世帯を対象に酪農と養鶏の導入による生計向上を目指した事業が実施されている。もう一つの予定地コラビッサ村は、バウラーナ村とは違い紅茶の生産が盛んだった地域ではなく、稲作・畑作の小規模農家が多く暮らす地域である。しかし、他の地域同様に僻地農村として抱えている貧困問題は深刻化しており、8割の住民が政府の定める貧困ラインを下回っているという現状である。

2 地理・人口:
バウラーナ村、コラビッサ村は、中部州キャンディ県デルトタ郡の標高約1,000メートルの丘陵地帯に位置する村々で、総面積745haの内、耕作放棄地247ha、山林157ha、住居及び畑276ha、茶畑65haとなっている。同地域には、シンハラ65%、タミル25%、ムスリム(イスラム教徒)10%の3民族1,497名が暮らしている。

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3 事前調査による問題点:
3.1 収入の不安定化および人口流出の悪化
 コラビッサ村では、9割の住民が畑作・稲作・紅茶等の小規模農家として生計を立ててきた。しかし近年の気候変動の影響による干ばつ、農薬等の長期間の利用による土壌劣化等による作物生産性の低下とともに、化学肥料の高騰、政府補助金の減額、需要と供給のアンバランスによる卸価格の下落などの要因により、農家の収入は大きく下がっている。また、水資源の枯渇化により、稲作の2期作もできなくなっており、雨水利用に依存する耕作となっていることも収入の不安定化を助長している。このような現状の中、住民は現金収入を得るために日雇いの仕事を探しに近隣の街や、出稼ぎのために大都市へ出ていくことが多くなっている。9割の住民が農家であるが、その内4割が収入源を日雇い・出稼ぎに頼っており、中には村に戻ってこない人も見られる。今後も現金収入のために地域外へ出ていく人が増え、地域内の人口減少が進む危険性が高い。
一方、バウラーナ村では、平成23年度事業において家畜の配付が進められており、特に、養鶏においては段階的に収入につながりつつある。畑作・紅茶栽培等と家畜飼育の複合的な経営が、安定収入にながるという期待もあり、各農家が取り組みを進めている。しかし、乳牛飼育に関しては、集乳業者が事実上1社となったことを受け、買い取り価格が不安定になるという事態が生じている。既存の酪農家および昨年度の受益者達からは、今後もこの状況が続くと、収入の大幅減少にもなり兼ねないとの懸念の声を聞いた。また、良質な粗飼料(草)を確保するのが難しいとの声も多く聞いた。本年度は干ばつの影響もあったが、自身で育てた牧草が順調に生育するまでには試行錯誤が必要であり、その間も牧草の確保が欠かせないという問題を抱えている。

3.2 土壌劣化と単一作物栽培による経済的リスク増大
同地域で長年紅茶栽培および畑作等をしている住民は、最近、土壌の保水・保肥力が極端に低下していることを懸念している。今までと同様に化学肥料を施肥しても、その効果が得られなく、追肥が必要になることが多々ある。これは、土壌の有機物が低下し、肥料分を保持するのが難しく、窒素等の肥料分がそのまま流出していることが原因だと考えられる。また、本年度の干ばつの影響でバウラーナ村の茶樹の一部が枯れたことを見ると、土壌の保水力も低下していることもわかる。化学肥料や農薬の適正量以上の使用、単一作物の栽培などが土壌劣化を進めている。
一方で、単一作物への依存による、経済的リスクの上昇も問題となっている。例として、多くの農家がトマト栽培を行っているが、収穫時期が重なり、卸値の大幅下落が毎年見られ、収穫すらせずに放置される畑もあった。また、連作障害の影響が、病害虫の大発生により、大量の農薬利用を余儀なくされたという農家もあった。単一作物を栽培し土壌の劣化も進み、経済的リスクも増すという負のスパイラルに陥っている問題がある。さらに、時折実施される海外からの農産物の輸入による市場価格の変動も予期できない状況もある。

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3.3 生乳販売の問題
 通常、生乳は各農家から朝夕それぞれ一次集乳所(各農家が歩いていける範囲にある)に集められ、業者がそれを回収、2次集乳所(近くの街)にて冷蔵貯蔵し、1~2日置きに大手企業の集乳車により工場へと運ばれるシステムとなっている。バウラーナ村、コラビッサ村では以前、生乳を集荷する業者が数社あり、条件のよいところへ各農家が出荷するというシステムが取られていた。しかし、本年度は事実上1社の独占となっており、農家は業者の提示する価格で販売するしかない状況となっている。既存の酪農家および、村の家畜発展委員会では、今後、買い手市場の中で生乳の価格が下落することを懸念しており、小規模酪農の持続的観点からも、より自立的な販売システム、仲介業者を通さない販売ルートの開拓が重要な課題であると考えている。農家自らが生乳を企業等に卸す場合には、最低1日生乳を貯蔵する冷蔵設備(バルククーラー)の設置が不可欠となってくる。現在の、家畜発展委員会の経済力では、冷蔵設備の設置は難しい状況である。また、行政からの支援も今のところ期待できないのが現状である。

4 総括
昨年度、バウラーナ村において家畜飼育導入の事業を実施したが、その中で、生乳の販売にいくつかの課題があることが判明した。それは、以前は複数あった集乳業者が、現在は一か所の集乳業者による独占状態となっていることと、当該地域には農家主導の集乳設備がないため、結果としてその業者に依存せざるを得ず、買い手市場となってしまっていることである。そのような状況において、安定した販路を確保するためには、地域内の集乳設備の設置・管理運営及び生産・集乳量の拡大が不可欠となっている。一方で、バウラーナ村に隣接するコラビッサ村は185世帯632名が暮らす村であり、バウラーナ村同様に小規模農家が多く、その内約8割が貧困の問題を抱えている。
 また、スリランカ政府として、乳製品自給率を2015年までに現在の17%から50%まで引き上げる目標を掲げており、人工授精などによるサポートを強化する動きもあり、その観点から見ても酪農技術の移転および生乳等の販路確保による貧困削減支援は妥当であると共に、将来的発展の可能性が大きいと考えている。

活動指針

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活動概要

1 酪農の技術移転と飼育の開始
2 家畜発展委員会の組織力強化支援
3 集乳センターの開設

受益者

バウラーナ村、コルビッサ村の住民290名
(バウラーナ村63世帯、コラビッサ村60世帯)

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目的

バウラーナ村、コラビッサ村の貧困世帯が乳牛の導入により貧困から脱出する一歩となるとともに、地域内での集乳が可能となり、販売価格の安定化と農民への利益の最大化が進み、収入が3割増すことを目指します。

活動内容

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実施期間

2013年4月>>2014年3月

活動内容

1 酪農の技術移転と飼育の開始
1.1 行政関係者との話し合い・受益者最終決定
デルトタ郡事務次官、コラビッサ村行政官と事業実施における具体的な計画などの共有を行う。その後、キャンディ家畜生産衛生局との話し合いを行い、技術的な支援を提供してもらう日程を調整する。受益者は、デルトタ郡事務次官及びサムルディ(貧困対策)職員、村行政官らが調整し、受益者リストを作成する。その後、各家を訪問し、①意欲②物理的スペース③すでに牛の飼育をしていないか③年齢、家族構成の情報等を確認後、我々のコメントを含めて最終的な受益者決定を行う。

1.2 直接的受益者及び他の住民との話し合い
直接的受益者10世帯の人びとと、数回に分けて会議を開催し、事業の目的等を共有する。住民側の責任ついて確認し、お互いの努力がないとこの事業は成功しないことを伝える。また、段階的に直接的受益者以外の住民とも懇談会を開き、貧困世帯の発展により地域全体の開発も進み、将来的にはすべての住民に裨益する事業であることを説明し、可能な範囲での協力を要請する。

1.3 酪農技術トレーニング
ジャージー種の特性及び管理方法、飼養管理、人工授精、牛舎管理、行政のサポートシステムを中心に、10世帯に対して計3日間のトレーニングを行う。家畜飼育の専門家(獣医師を含む)が理論・実践の両方を指導。
1日目:理論、2日目:農場における実践と理論、3日目:先進小規模酪農家の訪問と体験

1.4 草地管理技術の習得と牧草(粗飼料)の確保
約1ヘクタールの草地を借上げ、草地管理の技術トレーニングを実施するとともに、共同草地として牧草を育て、各農家が一定量の収穫ができるようにする。

1.5 牛舎設置(各世帯)
各世帯の住居の配置場所等を加味して牛舎の建設を行う。専門的な技術が必要な個所は専門業者に委託するが、自分で修繕等が可能となるように、住民も積極的に建設作業に参加するようにする。

1.6 乳牛配付
トレーニング修了者(世帯)に対して乳牛の配付を行う。家畜生産衛生局の獣医師が推薦するジャージー種を専門業者から購入、配付する。

1.7 フォローアップ
家畜配付後、1週間ごとにスタッフが巡回し、家畜の生育状況等の確認を行うとともに、特別な問題がある場合には、獣医師と連絡を取り合い、専門的な助言を得られるようにサポートを行う。


2 家畜発展委員会の組織力強化支援
2.1 委員会の定期的開催
月に1度の委員会を開催し、技術的な問題の共有、販路確保の協力体制づくり、行政からの支援情報の共有などを行う。

2.2 先進地域の視察と情報交換
キャンディ県内の優良小規模酪農家を訪ね、飼育技術を学ぶと共に、他の地域の酪農家とのネットワーク構築を図る。

2.3 複合的・循環型農業についての学習会
外部講師を招いて、家畜発展委員会のメンバーを対象として、複合的・循環型農業についての学習会を実施。長期的な視点に立って、段階的に同地域内の農業を「循環型」へと転向していくことの利点や難しさを学ぶ。委員が学習した後、委員主催の組合員を対象とした同様な学習会も実施する。

3 集乳センターの開設
3.1 バルククーラー設置
家屋を修繕し、バルククーラーを設置する。

3.2 管理方法のトレーニング
なお、バルククーラー、発電機のメンテナンス費用、集乳センター家賃、集乳用トラック費用などは事業終了後に自立運営ができるように、生乳販売時に積み立てをしていく仕組みを作る。

3.5酪農家対象にセンターの利用方法についての講習会
家畜発展委員会の主導により、集乳センターを運営していくことを伝え、センター設置の意義や今後の展望について住民と共有する。また、具体的な生乳の買い取り方法や、集乳センターに生乳を届ける際の注意事項などの説明を定期的に開催する。


活動スケジュール

2013年4月 :
行政機関との協議、事業地の状況確認
2013年5月 :
住民との会議、家畜発展委員会との協議
2013年6月 :
酪農トレーニング(1回目)、牛舎建設、家畜発展委員会の開催、バルククーラー設置
2013年7月 :
乳牛配付、家畜発展委員会の開催、巡回指導(草地管理指導含む)
2013年8月 :
酪農トレーニング(2回目)、牛舎建設、家畜発展委員会の開催、巡回指導
2013年9月 :
乳牛配付、家畜発展委員会の開催、巡回指導
2013年10月 :
酪農トレーニング(3回目)、牛舎建設、家畜発展委員会の開催、巡回指導、中間評価
2013年11月 :
乳牛配付、家畜発展委員会の開催、巡回指導
2013年12月 :
酪農トレーニング(4回目)、牛舎建設、家畜発展委員会の開催、巡回指導
2014年1月:
乳牛配付、家畜発展委員会の開催、巡回指導
2014年2月:
家畜発展委員会の開催、巡回指導
2014年3月:
家畜発展委員会の開催、巡回指導、事業の総括、行政関係者との話し合い、最終評価

カウンターパート

なし

関連機関

キャンディ県事務所
デルトタ郡事務所

メンバー

石川 直人 (事業統括)
伊藤 俊介 (日本事務所プロジェクト管理)
プリヤンタ(アシスタントマネージャー)
カピラ (家畜飼育事業調整専門家)
谷口 未利子(現地駐在員)

決算 監査終了


当プロジェクトは、 平成24年度国際ボランティア貯金寄附金より配分を受け実施されました



活動報告

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進捗状況

終了

目標の達成状況

乳牛飼育戸数と集乳センターの利用
【目標】10世帯が乳牛飼育を開始する
【実施結果】10世帯が乳牛飼育を開始した。

【目標】集乳センターが設置される。
【実施結果】集乳センターが設置された

【目標】78世帯が集乳センターを利用する
【実施結果】69世帯が集乳センターを利用した。

生計向上の効果
【目標】78世帯の年間収入が平均3割増加する
【実施結果】78世帯の内、69世帯は3割以上の増加、7世帯は2割増加、2世帯は増加なしという状況である。
(2014年3月事業終了時のヒアリング調査)

最終レポート(2014年3月作成)

本事業は、僻地のため、道路や上水道等が整っていないという「地理的障壁」によって厳しい生活を強いられている人びとや、民族やカースト(身分制度)による“水面下”での差別という「社会環境の障壁」により、さらに厳しい状況に追いやられている人びとを対象として、昨年から引き続き“家畜飼育の普及を通した収入向上”を目標とし、収入の向上が確実なものとなり、さらなる自立発展が進むことを目指し、集乳センターを設置しその運営を開始した。
事業の結果、全受益者の88%(69世帯)が3割以上の収入向上となった。また、9%(7世帯)が2割増加、3%(2世帯)が増加なしということであった。69世帯の収入が向上した一番の要因として、生乳の買い取り価格の値上がりが言える。同様に、昨年から引き続きフォローアップトレーニングの実施や巡回指導の継続により農家の飼育技術が段階的に向上していることが考えられる。
獣医師の話では、基礎的な飼育技術の徹底により、乳量を2割増加させることができるとのことであった。そのため、それらの技術力向上が乳量や乳質の向上に影響したと考えられる。7世帯の収入が2割増加に留まった大きな理由は、生乳の販売を既存の業者に継続的に行わざるを得なく、乳価アップの恩恵を受けられなかったことが挙げられる。これは、収入増加がなかった2世帯も同様であるが、既存業者に対して借入金があり、それらの返済が終わるまでは他の業者へ生乳を卸すことを禁止されているとのことであったため、当法人としても地域の慣習に従い、業者と住民の動きを見守ることとした。ただ、この7世帯に対しても技術向上のためのトレーニング等は行っているため、それらの影響で乳量・乳質の変化は見られ、収入が増加したと考えている。今後、借金返済後は集乳センターへの生乳出荷を希望しているとのことであった。収入増加がみられなかった2世帯であるが、家族や乳牛の病気などが重なり予定外の出費が多かったのが原因とみられる。 
収入は個としての利益であるが、一方で、地域全体としては、家畜飼育を共通の課題とすることで、お互いの問題を共有し、それぞれが支え合うという互助機能の強化が本事業を通して進んだと考えている。例えば、タミル人同士であってもカーストの問題から普段は交流・協力することがない人びとであるが、ある牛が死亡した際に、カーストの枠を超えて周辺地域のタミル人、またシンハラ人も協力し合い牛を牛舎から出し、埋葬するということがあった。これは、当法人が声をかけたわけではなく、彼らが独自に声掛をして実施した取り組みであった。村の老人たちも今までにはないことであったと驚きを隠せなかった。また、日本からの来客があった際、地域のタミル人・シンハラ人が協力し合い独自の歓迎会を催した。これも当法人の現地スタッフが数日前に、村人数名に「日本からお客さんがちょっとお邪魔するからね」と伝えただけであったが、住民が自ら企画し、盛大な歓迎会となった。今まではスタッフが住民を集め、催しごとの企画を練って住民と責任分担を行い実施していたことを考えると大きな進歩であると言える。この様なことは、本事業が当該地域にもたらした利益と言えるであろう。
1939985_512509672201562_106288880_n.jpg地域住民による歓迎会時の現地スタッフによるお礼のあいさつの様子
一方で、飼育技術、牧草栽培、衛生概念など常に努力をしながら、その質を高めていくことが必要なのが『酪農』であるが、全体として、まだ自身への「甘え」が生じてしまう農民が殆どである。この線を越えることができると、先進農家の見学で訪ねたところのように、酪農だけで十分に生計を立てることができるのであるが、まだそのレベルまで達している農家はない。引き続き、技術指導や緊急時のサポートを外部から必要としている段階だと考えている。

中間レポート(2013年10月作成)

〇行政との調整
 2013年4月より、継続的にデルトタ郡の郡事務所事務次官および村行政官、サムルディ職員(貧困対策)、地域獣医師らと本年度の事業計画について話し合いを行った。昨年度に引き続き、貧困世帯を特定し、彼らに小規模酪農技術の移転を行い、酪農開始のためのサポートを行うこと、村の家畜発展委員会の組織力強化とさらなる発展のためのサポート、生乳を独自に回収・販売することによる乳価の底上げを目指すという目標の共有を行い、これらに関する側面的な協力を要請した。
 事務次官からは、昨年度の成果に対して高評価を頂いており、今年度もさらなる村の発展のために行政側も出来る限りの協力をするとの話を頂いた。その中で、収入の向上を目指すことは重要であり、酪農技術の向上をそれに資するものだと考えているが、家計の管理や子供への教育、保健衛生の向上に向けた取り組みも同時に必要であるとの指摘もあった。特に、家計の管理という観点では、当法人が取り組みを行っている村人の多くがアルコール依存症に近い状況に陥っており、せっかく収入が上がってもそれらを酒の購入に使ってしまっているという現状も多くあるというのが関係者の中の共通の認識である。また、教育が重要だという認識が欠けている保護者が多く、子どもを労働力として使い、学校をしばし休ませるケースも報告された。さらに、学校側も保護者に対して注意喚起するわけでもなく欠席が多い児童に対して、「休みが多いため学校に来るな」という指導を行っている問題なども指摘された。これらは本事業とは直接的な関係はないものの、事業の目的である「貧困削減と生活の質の向上」という観点からみると、とても重要な問題であり、本事業を進める中で行政とも協力しつつ個々の問題解決に何かしら関われるようにしていきたいという当法人の姿勢を伝えた。

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〇住民との会議
 2013年5月からバウラーナ村の住民との会議を継続的に実施。昨年度から引き続き今年度も当該地において事業を進めて行く旨を説明。住民側の熱意と努力がなければ我々の活動は全く意味がないものとなり、村の発展は実現できないと説明した。多くの住民は、現状打開のためにある程度の努力はしているものの、長期的な視点に欠けているため、当初の計画通りに物事が進まないことがしばしばある。そのため、我々としても“リマインド”を常に行い、目標の再確認を行いつつ、できることから一歩ずつ確実に取り組むようにと再確認を行った。また、しっかりと行動できる一部の住民に対して、他の住民に対する日々のサポートも行うように要請した。我々のスタッフも24時間事業地に滞在しているわけではなく、見落とすこともある多々あるため住民リーダーとの連携を強めて底上げを進める目標を立てた。9月までの間、住民との会議は、フォーマル、インフォーマルともに継続的に実施し、当初の話し合いの内容を常にリマインドしつつ、個々の問題の収集やそれに対する解決などを常に模索している。また、コラビッサ村では、行政官を中心として受益者の選定を行い、受益者との話し合いを行った。受益者の数が少ないため、コラビッサ村全体を対象とした会議は行わずに、関係者のみの会議を継続的に行った。

〇バルククーラー業者との話し合い
 バルククーラー業者との話し合いを5月に開始。昨年度見積もりを取っていた業者より、輸入手続きの法律変更の影響のため、納期に時間がかかる旨を伝えられる。その後、納期時期に関して確実なことが言えないとのことであったため、7月に他の業者選びに着手。8月の段階で業者を選定し、価格交渉等を始めるものの、物価高騰の影響を受けて当初の予算では折り合いがつかず、交渉が難航。
 本事業が貧困削減のための支援であり、通常のビジネスではないことを業者に説明・交渉を繰り返し、ある程度の値下げに合意。9月の段階で、購入の手続きは完了したものの、納期までに6週間かかるということで、現在設置を待っているところである。

〇家畜発展委員会との協議
 昨年度の事業で立ち上げた家畜発展委員会であるが、まだ活動を開始してから日が浅いこともあり、本年度も同メンバーで運営することが決まった。当法人のメンバーが中心となり、組織力強化のために村内の地区別に小グループを形成し、小グループを通した活動を推進するように計画した。具体的には、定期的に小グループ毎で集まり飼育している乳牛の問題等について共有し合い、それに対して、飼育の経験がある他の住民や、当法人のスタッフが助言するというシステムを作りつつある。また1カ月に1度、地域獣医師に家畜のチェックをしてもらい、個々のアドバイスを受けつつグループに対してのトレーニングを実施しより実地的な技術の移転を促している。多くの住民は、基本的な給餌方法すら完璧には出来ていないという現状が確認できたため、小グループへのトレーニングを通して、基本的な飼育方法を身につけるための取り組みを進めている。これらの基本的なことが定着しなければ、集乳方法の改善や濃厚飼料とのグループ購入等の取り組みを先には進めることが難しいということになり、まずは、基本的な取り組みを定着させることに注力する方向で活動は進んでいる。

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〇酪農トレーニング
 2013年7月、10世帯に対して計3日間のトレーニングを行った。ベラデニヤ大学、地域獣医師事務所からの協力も受けつつ、理論・実践の両方を指導した。指導内容は下記のとおりである。1日目:理論、2日目:農場における実践と理論、3日目:先進小規模酪農家の訪問と体験。

1.ジャージー種の特性及び管理方法
・ 乳牛の種類:ジャージー種、フリーシアン種等の特徴について
・ 乳牛のからだ:前駆発達型の理由等
・ 乳牛の性質:警戒心、記憶力等
・ 乳牛の生産生理:胃の構造、反すう、消化

2. 飼養管理
・ 採食量:一日に摂取できる飼料量
・ 粗飼料の重要性:ルーメン内の発酵を円滑に進める
・ 各期の飼料給与の要点:分べん期、泌乳期、乾乳期における
・ 給与の仕方:回数等
・ 餌に適した草について、給餌方法等

3. 人工授精
・ 人工授精の利点:優良種、期間管理
・ 人工授精を行うために:家畜生産衛生局の紹介
・ 同地域内における人工授精の現状とサービスへのアクセス方法

4. 牛舎管理
・ 牛舎の作り方
・ 牛舎内における牛の管理方法
・ 糞尿処理について、堆肥の作り方

5. 行政のサポートシステム
・ 関係機関の紹介

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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~2013)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)

LinkIcon生ゴミの堆肥化と有機農産物ブランド化を通した零細農家の収入向上と持続可能な社会のモデルづくり(2014)

LinkIcon指圧マッサージサロン「Thusare トゥサーレ」の運営と視覚障がい者の雇用促進を目指した体制強化(2014)

LinkIconバウラーナ長屋再生プロジェクト(2014)

LinkIcon旧紅茶生産地における小規模酪農普及による貧困削減(2014)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)