アプカス プロジェクト

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視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト「Bring Bright for Blind」
(スリランカ西部州ガンパハ県)

現況

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WHOは、世界の全盲の障がい者の90%は、開発途上国に住んでいるデータを発表している。また、2001年のDepartment of Census and Statistics of Sri Lankaの統計によると、スリランカ国内におよそ40,000人(※1)の全盲の障がい者がいると推計することができる。特に所得の低い地域では、視力に問題があることを把握されなかったり、メガネを購入することができないといった「適切なケア」が行われないことにより、視力に致命的な障がいを抱えてしまうケースも少なくない。

スリランカにおける視覚障がい者は、都市部に関しては盲学校が整備され、小学校から高校まで教育を受けることができるものの、就職に関しては多くの障壁がある。また、政府は全公務員数の3%を障がい者の雇用に充てるという努力目標を制定し、雇用面の改善は試みられているものの、民間セクターに関しては雇用がほとんど進んでいないというのが現状であり、「障がい」を持つことが、貧困に陥る大きな要因になっている。

視覚障がい者がマッサージ師として働くことは、日本、中国、タイ、さらにはインド、ネパールなどの南アジアの国々でも幅広く定着し、視覚障がい者にとって非常に適性の高い仕事の一つであると言える。

昨年度から、スリランカ社会福祉省障がい者職業訓練センターでも、視覚障がい者へのマッサージ師養成コースを開始し、現在4名の受講者がいるものの、今のところマッサージ師としての就職先は決まっていない。
そこで、同訓練センターより、マッサージ師講習内容の向上および就職促進のサポートの要請があった。

スリランカでは、昨年の5月に26年にわたる内戦が終了し、2010年上半期では、昨年比でおおよそ2倍近くの観光客が訪れている(※2)。その背景を追い風に、特に外国人が訪れるような高級ホテルを雇用の受け皿に絞れば、マッサージ師として視覚障がい者が雇用される可能性が十分ある。

また、スリランカ社会の中に「前世の行いが悪かったゆえに障がいを持つ」といったような視覚障がい者への宗教的な偏見も非常に根強く残っている。また、「マッサージ産業=性産業」という誤解が、根強く存在している。それは、雇用の受け皿となるビジネスセクターも同様で、障がい者の雇用を促進しつつ、社会全体の偏見や誤解を払拭する波及効果の高いモデル事業が求められている。


※1:この当時は、内戦中だったこともあり、北部と東部のデータはない。さらに内戦の戦闘を原因で失明した人も多くいる

※2:観光客ではなく、インドや中東、中国からの行商人が増えた部分が大きいと指摘する声もある

活動指針

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活動概要

スリランカ国内の行政機関が実施している視覚障がい者へのフットマッサージ講習の改善を行いながら、修了者の就職先を新規に開拓するために、外国人向けホテルへフットマッサージサービスの導入を働きかける。一方で、スリランカ社会の障がい者への偏見を緩和するために新聞やラジオ等のメディアを利用して啓蒙活動を行う

受益者

直接受益者として10名の視覚障がい者とその家族

目的

・視覚障がい者の収入の向上
・スリランカ社会のマッサージに対する偏見の緩和
・視覚障がい者が自身に抱く負のイメージの緩和と家族のエンパワメント
・観光産業の新規雇用モデル作りと雇用促進

活動内容

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実施期間

2010年6月>>2011年5月

活動計画

1.視覚障がい者に対する現状の調査(6月~)
 -アンケート調査とターゲットグループの設定
 -関係機関との調整およびネットワーク化
 -当事者と家族へのエンパワメント

2.障がい者への偏見の軽減を目指すメディアプログラム(11月~)
 -ラジオや新聞等のメディアとのミーティング、リーフレットの作成と配布

3.障がい者職業訓練センターのフットマッサージ講習の改善(11月~)
 -カリキュラムの見直し
 -修了テストの実施サポート

4.修了者の新規雇用に向けたビジネスプランの策定と雇用環境の整備(12月~)
 -ホテル関係者とのネットワーク作り 
 -視覚障がい者の就業サポート

カウンターパート

スリランカ社会福祉省障がい者職業訓練センター

関連機関

スリランカ社会福祉省
スリランカ経済開発省観光局
スリランカ視覚障がい者協会

メンバー

石川 直人(スリランカ現地コーディネーター)
ダグラス・チャンダナ・クマーラ(スリランカ現地コーディネーター)
デーヴィカー・ヴィーラシンハ(スリランカ現地コーディネーター)
アヌーシカ・ペーリス(スリランカ事務所コーディネーター)

予算

調整中です

当プロジェクトは、 スリランカの非営利機関「CEPA(The Centre for Poverty Analysis)」による助成を受け、実施されます。


活動報告

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進捗状況

終了

実施レポート

作成中です

担当者レポート

トレーニング講習を担当しているサンジーワさんは、日本でも研修を受けたことがある経歴の持ち主です。
サンジーワさん自身も全盲で、毎回のトレーニングでは、終わりに自身が生徒のマッサージを受け、生徒が講習内容をきちんと理解しているか確認しているため、健常者が教えるよりも時間や手間がかかるそうです。
しかし、視力にハンディキャップのある生徒の感覚や気持ちが理解できるので、微妙な加減が要求されるマッサージ技術を的確に技術を伝えることができるとのことでした。10月下旬にトレーニングセンターを訪れましたが、受講生は、気温30度の中での全身を使ったトレーニングに汗を流していました。(石川:コロンボ事務所)

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担当者レポート

活動の中で出会った一人の視覚障がい者にヘーマンタさんは、16歳の時に失明し、自分の人生の望みを捨てていたそうです。失明してから、周りの人が急に相手にしてくれなくなり、社会の中で必要のない人間のように扱われたことは大きなショックだったそうです。それでも昔からの友達は、以前と同じように付き合ってくれて、彼が白杖を使おうとすると、「俺たちといるときは、そんな杖必要ないだろう」と、その白杖を取り上げられた事すらあったそうです。そんな友人たちのおかげで、人生についてだんだん希望を持てるようになったそうです。「目が見える時には“感じなかった”“見えなかった”『心の喜び』を目が見えなくなってからの様々な経験を通して“見る”ことができるようになっている」と29歳になったヘーマンタさんは語ってくれました。

本当は見えているのに見えなかったと言ったり、見て見ぬふりをしてみたり、自分自身があまり見えていない…私自身もその一人なのかもしれませんが、視覚障がい者の方々への活動は、そういった内省も含め、「見る」という行為について考える大きなきっかけとなりました。

弱視などを含む視覚障がいのために差別を受けたり、社会に出られなかったり、将来に失望してしまう人が、開発途上国には多くいます。目の見えない人も未来をあきらめることなく、活き活きと生活し、共に歩けるような社会を作ることが、私の責任でもあるのだと思っています。(デビカ ウィーラシンハ:コロンボ事務所)

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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)