アプカス プロジェクト

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BOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査

イントロダクション

bop_data_srilanka.jpghttp://www.wri.org/publication/the-next-4-billionより

『BOPペナルティはスリランカに存在するか?』

スリランカの都市部と地方都市部、農村部間で典型的なBOPペナルティが存在するか、簡単なヒアリングを行いました(水道代、玉子、米、石鹸、コピー代、携帯電話通話料、銀行口座等の指標について実施)。結果的には、食料品、サービスセクター共に大きな差は発生していないということでした。

食料品については政府が価格をコントロールしており、サービス分野については、国土が北海道の8割と比較的狭い国であることから、価格の差が発生しづらい背景があるのではないかという話でした。生活には必須ではない一部のサービス部門等(写真の引伸ばし、眼鏡、精米等)では、1.5倍程度の差が見られるとのことでした。

また、当法人が3年以上活動を続ける中部州のWalapane郡は典型的な最貧困の僻地農村ですが、日雇い仕事に従事する多くの被災者世帯でインフォーマルな収入があり、仮設住宅に住みながら、携帯電話やテレビを所有している実態があるとの報告がありました。

活動指針

srilanka_province_map.jpgスリランカ貧困マップ。クリックすると拡大されます

活動概要

スリランカにおけるBOP層へのビジネススキームを通した開発の可能性に関する調査
両国の当分野における資源のネットワーク化

スリランカにおけるBOPビジネスの市場可能性、先行事例及び他国企業の動向について簡易レポート

(1)食料市場

DSC_0728.JPG地すべり被災地の雑貨店。小分けのお菓子や洗剤、燃料も売られている。

市場のアウトルック:

スリランカ人は、味の好みについて保守的な傾向があり、ベジタリアンも多い。根本的に甘い物を好む国民性があり、最近、都市部において洋菓子や肉・乳製品、レトルト食品などの販売量が増えているようである。

ヨーグルトは伝統的にあるもののヤクルトなどの乳酸菌飲料は市場に流通していないとのこと。ソフトクリームなどの乳製品販売、清潔な店舗でのフレッシュジューススタンド、ミートショップ、高級な洋菓子店は徐々に店舗数を伸ばしている印象を受ける。

そのため、養鶏・酪農・養蜂などの生産、イチゴやきのこなどの新品種の栽培は有望。同国は、島国であるため魚もたくさん獲れ、カレー等に利用されるが、加工技術や保存技術は未発達(「さきいか」などの北海道のお土産は大人気)。また、米粉を使用した製パン・菓子・製麺技術などの広範な利用技術は、米文化の同国となじみ良い有望な分野。

さらに、零細農民は、昨今の化学肥料の高騰に苦しんでおり、農業自体の生産性を向上させる技術は人口の8割が農村部に住む同国にとって大きなインパクト。

DSC_0414.JPGエレファントアイスのベンダー。地方都市でも多く見かけるようになってきた印象がある

市場のキーワード:

乳製品や肉製品の普及による食の欧米化(都市部のMOP-BOPの上部層)、
農業・漁業の生産性の問題、レトルトや高い食品加工技術、狭小地での高付加価値作物の栽培

市場調査及び他国企業動向:

○Nestle(スイス):広く浸透。粉末状のミルクやスティック顆粒の紅茶を販売開始。インスタントスープやココナッツミルクパウダーのMaggiブランドも展開。
○味の素(日本):うまみ調味料
○CIC(スリランカ国内企業):農場を持ち産直感覚で野菜を中心に販売。清潔な自社店舗で野菜や冷凍チキンを幅広く取り揃え、国内富裕層に人気。フレッシュジューススタンドを展開。
○エレファント・アイス(スリランカ企業):スリーウィラーや自転車による委託販売で広く展開。ヤクルト方式と類似
○ヨーグルト関連:各地域で、ローカル企業が水牛ヨーグルト(カード)を伝統的に製造。


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(2)エネルギー市場

DSC_0736.JPG農村僻地では、いまだに薪を使っている世帯が多い。調理用利用による森林伐採も広範囲に存在している

市場のアウトルック:

電化率は7~8割程度だが、年5%程度の経済発展を続ける中で、エネルギー消費が著しく拡大している。すでに送電線網が整った地域への電直需要が伸びる中で、未電化地域への電気供給は、コストが高いため行政が躊躇している現状で、ソーラーパネルや小型水力発電などの分散電源による電化を政府も後押し。
省エネ技術とて有望なLED照明については、中国製の粗悪品が多く出回っており、典型的なレモン問題が発生している市場。日本の高性能LEDランプの廉価版があるとビジネスとして十分普及する可能性がある。また、現地の住民が継続的に使用可能なバッテリーも同様である。電気ケトルなどで沸騰すれば自動で電源が切れるといった日本では当たり前の比較的簡単な省エネ技術も未発達。

燃料価格が高騰する中で、薪利用や焼畑農業による森林資源の違法伐採も深刻化する傾向があり。未知数ではあるが、カーボンオフセット市場との関連ビジネスも可能がある。


PICT0134.JPG分散電源として有望なソーラーパネルだが、貧困が原因で消耗品のバッテリーを買い替えできず、有効利用されない現状も

市場のキーワード:

分散電源、適正省エネ技術、カーボンオフセット、バイオマス資源有効活用

●ソーラー発電とバッテリーへの補助政策
ソーラーパネル付きランタンは14,000ルピー、ソーラー住居照明システム(電球3つ:下写真)は40,000ルピー程度。ソーラーシステム導入時に政府より1万ルピーの補助金があり、市場は70万世帯(40%=北東部:紛争終結地域、60%=それ以外の地域)とされている。ソーラーシステムのバッテリーは中国製が一般的で12,000ルピー程度の価格帯。

●超小型水力発電
30世帯位の村への電力供給し、15Kw発電で200万ルピー位。現在、地元企業のHPI社が手掛けたものだけでも13基の超小型発電がスリランカ国内に導入済み。同事業には世界銀行より80万ルピーの補助金がある。

市場調査及び他国企業動向:

○エナファブ(スリランカ企業):バイオ燃料ギニシーリヤという成長の早い木を栽培し、それを燃料としてタービンを回し発電する。○HPI(スリランカ企業):ソーラーシステムや超小型水力発電
○YUASA(GSユアサ/日本):バッテリーサービス
○EXIDE(アメリカ):バッテリー全般
○Philips(オランダ):家電全般
○ケルヒャー(ドイツ): 高圧洗浄器
○Singer(アメリカ):調理家電等


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(3)運輸・住宅市場

P3010911.JPG客待ちをする三輪タクシー、スリーウィール。後ろには家庭用貯水タンクが販売されている。

市場のアウトルック:

移動は国営と民間のバスがあり、市内の移動では、5ルピーからとなっている。

バイクに加え、スリーウィールと呼ばれる三輪タクシー(全20万台のうち6万台がコロンボ)も市民の重要な足となっている。三輪タクシーの料金は交渉制だが、1キロ当たり30ルピーが目安となっている。ちなみに、燃費28km程度、新車で45万ルピー程度である。一方、最近はタクシーも増えている。休みの時に家族や親せきが集まり旅行に行くこともあり、その時にはワゴン車のレンタルを行う事が多い。レンタルは運転手付きでエアコンなしで1キロ=20ルピー~30ルピー。観光客や企業向けの比較的良い車&英語ができる運転手の場合、1キロ=50ルピー~60ルピー程度である。

自動車生産はスリランカ国内企業も1社があるが、南アジア地域協力連合(SAARC)内の関税緩和制度などを追い風としたインド企業TATA社製の自動車・バス・バイクも多く流通している。また、日本から中古の自動車やパーツを輸入する自動車会社が多数あるが、競争市場で飽和状態のように見える。

住宅には、レンガ・コンクリートブロック、鉄筋、セメント、砂利、砂、瓦、アスベストシートなどが使用され、木材は白アリ被害や強い日差しによる劣化のためあまり使用されない。収入や家族の人数に合わせ、家を建て増していくことが広く一般的であり、将来的に2階建てにする目的で平屋の家の柱から鉄筋がむき出しになっている家に住んでいるといった光景もよく見られる。大手銀行が行っている住宅ローンは、年利15~17%程度が一般的。新築は最大20年、増改築の場合は10年が借入期間の限度になっているようである。

また、都市部には不法占有地があり、刑務所の外壁を利用した住宅に住んでいる人もいる。


P1110015.JPGスリランカ南部州のインド洋大津波被災者向けの住宅

市場のキーワード:

適正な省エネや排ガス技術、ソーラー技術の活用、大工の訓練、半セルフビルド、割安ローン

市場調査及び他国企業動向:

○JCB(イギリス):トラクター
○コマツ(日本):ショベルカー、ブルドーザー、ロードローラーでは大手
○トヨタ(日本):自動車

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(4)ICT市場

DSC_0186.JPG僻地農村地区(ウバ州)で行われているパソコン教室。週末の2~3時間のクラスで一人につきRS150。ブロードバンドにもコネクト可能。パソコン教育への教室の貢献も大きい

市場のアウトルック:

2002年には、携帯電話の保有者も珍しく、その料金も非常に高かった。スリランカの携帯電話から日本への国際電話を例にとると、2003年には100ルピー/分が2010年には22ルピー/分となっている。契約初期費用も2003年では1500ルピーであったが、現在は、0ルピー~200ルピー位となっている。

インターネット環境も都市部で発達しつつある。無線LANの標準規格WIFIの導入も進み、高級カフェやホテル内での無線LAN使用(ほとんどが有料)が可能となっている。ただ、地方においてはインターネットカフェなども数少なく中都市までいかないとインターネットにアクセスできない状況である。そんな中、インターネットにアクセス可能な携帯電話も普及し始めている。今のところ、特殊な電波を利用しており、利用可能エリアは狭い。

現在、大手デパートのODELや、KAPRUKAがインターネット上の販売サービスを行っているが、今のところ商品数も多くなく、価格も割高である事と、“実際に手にとってから買う”という習慣があるため、あまり普及していない。

ICTに関連するか微妙だが、関係者の話によると、漁師への魚群探知機やGPSの需要はあるとのこと。

市場調査及び他国企業動向:

●携帯電話市場
5社程度(Dialog, Mobitel, Etisalat, Airtel, Hutch社など)の競争市場。固定電話でありながら、持ち運び可能なCDMAフォンも普及。プリペイドカード購入者が多い。一般の人で、電話代として月に1,000ルピー位を支出している。

●ブロードバンド
2004年から07年にかけて国内のブロードバンド契約者数は、年平均増加率で40%を記録している。NGOフィールドでは、2007年にUSAIDの支援で、Synergy Strategies Groupが農村地域にブロードバンド拠点を建設するといった事業も実施されていたようであるが詳細は不明。

●安価な送金システム=
関係者に送金システムについてヒアリング。農村地域では郵便局を利用している。同じ銀行間での送金手数料は無料。他銀行間だと、RS150~250程度。国際送金:スリランカから海外は、RS2000(Commercial Bankの場合)。海外から送金されてくる場合は、RS1700程度課税される。インフォーマルな送金手段等は、今回のヒアリングでは確認できなかった。


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(5)保健医療市場

IMGA0016.jpg北中部州の深井戸掘削作業風景。干ばつと水の浄化に共に取り組む必要性がある

市場のアウトルック:

近年の異常気象と水問題は深刻化。また、以前よりも深く井戸を掘らなければ水脈に当たらないといった事態も発生しており、深井戸対応の電動小型ウォーターポンプ、貯水タンクや節水蛇口などの技術も有望な分野である。

水の浄化については、北中部周辺で水の「フッ素」含有問題が古くからあり、腎臓病との関係が指摘されている。また、「清潔」をキーワードにした清掃・衛生用品、簡易水検査パック、また、特に都市部のゴミや生活排水、糞尿の処理問題に対応する市場もありそうである。

医療については、スリランカには西洋医学と伝統医療アーユルヴェーダの薬を処方する薬局は数多くあり、中には24時間営業のものもある。公的な医療は原則無償(大部分の薬や民間病院は有料)で、薬のクオリティなども行政が一定の監視を行っており、開発途上国内では比較的制度が整っていると言えるだろう。民間の医療保険もあり、女性銀行などもマイクロインスランスを展開している。性別を問わず、おしゃれやコスメに関する市場も有望であるが、他国企業がすでに先んじて進出している。


P3010905.JPG都市部富裕層向けのスーパーマーケット「アルピコ」。男性用、女性用共に海外ブランドの日用品が並んでいる

市場のキーワード:

深井戸からのポンプアップ技術、水の浄化と節水

市場調査及び他国企業動向:

○ユニリーバ(イギリス): シャンプー、石鹸など、タイで生産
○P&G(アメリカ):洗剤Tideなど
○Johnson&Johnson(アメリカ): ローション、化粧品関連全般
○Fonterra(ニュージーランド): 幼児用粉ミルク


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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)