アプカス プロジェクト

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スリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト
(スリランカ-日本)

現況

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①サマンタさんのケース(2009年7月)

現アプカスアートスタッフであるサマンタさんと妻のガヤニさんは数人をを雇用して、国内向けのジュートクラフト作りをしてきました。
(サマンタさんがアプカススタッフになった詳しい経緯については当ページ下の「活動報告」に記載しています)
サマンタさんが、工房の経営を行う中で以下の問題に向き合うこととなりました。

①非常に高い利子でしか融資を受けられない
(年利60パーセントというケースも・・・)

②病気などになると生産できなくなる脆弱な環境にさらされている
(子どもが病気→生産パートナーの妻のガヤニさんが看病→医療費の増加と生産量減少→さらに借入)

③立場の強い販売側の有利な条件や価格で取引が行われる
(せっかく作った商品も後日売れた分しか払わないという条件の店も多く、貯蓄のない生産者は次の生産ができない)

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②地方都市のぬいぐるみ生産者のケース(2010年2月)

アヌラーダプラでは、「国内向けのぬいぐるみ」を製造する生産者の工房でお話しを伺いました。その中で、安い海外のぬいぐるみが流入することで、値下げ圧力が高まり(特に地方都市であるアヌラーダプラでは、その傾向が強まる)、ぬいぐるみの縫い目から中綿が飛び出すような粗悪なぬいぐるみが増加(スリランカの人々は品質より価格重視の傾向がある)、さらに値下げ圧力が高まり、生産者のモチベーションが低下していく悪循環が続いているとのことでした。

この工房では、近くに住む女性で仕事を分担し、計8人で生産していますが、利益幅が減少し、労働時間が増えるという悩みを抱えているとのことでしたが、一定レベルの製品を作るための技術レベルになるまでは、相当の入力が必要であるとのことでした。

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③南部州機織り組合のケース(2010年2月)

スリランカ南部は、古くから織物が有名な地域でした。上記ぬいぐるみ生産者の状況と同じで、経済のグローバル化が進む中で、スリランカの「綿花栽培」及び「製糸産業」は、安価なインドや中国産のコットン原料によってほぼ取って代わられています。

そのような状況下で、地域の女性の中で引き継がれてきた「機織り文化」は、衰退の一途をたどっています。以前は、どの家にも機織り機があり、家のお母さんたちが地域の織物技術を継承し、家計を支えるといった文化や経済が残されていました。しかし、今は、機織り機もクモの巣がかかっているというのが現状です。
一方で、少しずつではありますが、富裕層にハンドメイドを見直す動きがあり、「手織りシーツ」の引き合いが徐々に増え、注文が入るようになってきました。しかし、この先にも安い海外産との競争が予想されるため、高い利子を払ってまで設備投資できないという問題があります。また、マーケティングを行う人を雇えずに良い買い手をなかなか見つけられなかったり、機織り技術を持つ人々の高齢化が進んでいる問題が存在しています。

市場に中国やインドなどの安い海外産が流入することで、スリランカ国内の小規模のクラフト生産者の経営は厳しさを増しています。


活動指針

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「貧困の削減と雇用環境の整備」「よりよいクオリティ商品の探求」「環境保全や伝統への配慮」「顔の見える製品作り」という点で一致する生産者や工房とネットワークを構築し、共に学ぶ姿勢を大切にしながら、日本市場向けのクラフト商品をデザイン・生産を行います。

活動内容

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アプカスクラフト商品開発ネットワークの生産者の皆さんをご紹介します。
オリジナル商品作りも可能ですので、お問い合わせください。

LinkIconメールでのお問い合わせ

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エコロジカルペーパー
 チャミルさん

大学時代に学んだ環境と農業に関する知識と情熱を「農作物残渣や廃棄物を原料にした紙作り」に託したチャミルさん。
途上国だからこそできるエコの形を模索しています。

LinkIcon『チャミルさん』インタビュー(PDF形式/11.5MB)

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バティック
 プレマラトゥネさん

バティックとは、色鮮やかに美しく染め上げた「ろうけつ染め」のこと。
最近は、後継者にいかに技術を伝えていくか真剣に取り組んでいるプレマラトゥネさん。
素敵な笑顔が印象的な職人さんです。

LinkIcon『プレマラトゥネさん』インタビュー(PDF形式/9.8MB)

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裁縫&ジュート
 サマンタさんガヤニさん

アプカスのクラフト商品開発の発起人であるサマンタさん夫妻。
スリランカの伝統とエコロジカルを意識しながら、モダンな商品作りに日夜取り組んでいます。

LinkIcon『サマンタさん・ガヤニさんインタビュー』(PDF形式/5.8MB)

活動報告

只今以下の活動を継続的に行っています。

・ガニー工房

日本人大学生とのフェアトレード商品開発
ココナッツシェル ストラップデザイン

・バティックてぬぐい

オリジナルバティック染めてぬぐいデザイン開発

・エコロジカルペーパー

クラフト技術の向上
レターセットのデザイン開発

apcas_products1.jpg現在の商品構成(2010年6月)

プロジェクト参加者の募集

あなたのアイデアと意見で、商品がどんどん生まれ、洗練されていきます。
ぜひ、国際協力のファーストステップを踏み出してください。

現在、

・商品の全般的なデザイン
・裁縫、染め、ペーパークラフト、木工技術
・イラスト

について、日本から技術的な支援やアドバイスをしてくださる方がいましたら、お手数ですが、メールフォームよりご連絡下さい。
また、上記分野を勉強されている学生さんの参加も大歓迎で、現地アーティストとの協働は、素晴らしい創作の機会になると考えています。

ゆくゆくは、スリランカの一つの地域を、様々な商品を生み出すコミュニティに変えていければと考えています。ぜひ、プロダクトテイカーからプロダクトメーカーにチャレンジしてみてください。

レポート:
プロジェクトとしてのフェアトレード商品開発~その経緯と課題について~

2007年スリランカ事務所駐在の石川が、アヌラーダプラで「環境保全に関するエキシビジョン」を開催時に来場したのが、現アプカス・アートスタッフのサマンタさんでした。この活動のすべては、そこにさかのぼります。
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来場者がサマンタさん以外にいない(?!)展示会ということもあり、サマンタさんが、環境に興味があること、エコフレンドリーをテーマにジュートクラフトなどを作っていることなど、初対面ながらゆっくり聞くことができ、そのまま家にまで招待されました。スリランカ人は、話しだしたら止まらない性格の人も多く、展示会で色々話し、打ち解けはしましたが、よくあることと言えばよくある出会いの一つに過ぎず、一年間は特に連絡を取り合うこともありませんでした。

アプカスのNGOとしての活動が本格化した2008年にサマンタさんとコロンボで会う機会がありました。彼のジュート作品は、改めて素朴ながらとても丁寧に作られている印象を受けました。そこで、彼の作品を日本に「軽く」紹介しようという話になりました。気持ちとしては、あくまでもサマンタさんの生活に多少でも貢献できればという程度でした。幸運なことに、数人の日本の友人たちから、ジュートのランチョンマットなどを注文してもらい、オーダーのやり取りをするようになりました。
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サマンタさんと妻ガヤニさんの愛息子シーギリ君(当時2歳)も、北中部州アヌラーダプラの郊外にある自然あふれる家で、成長を重ねているように見えましたが、ある日深刻そうな声でサマンタさんから電話がかかってきました。

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話を聞いてみると、ミシンなどの機械を購入するために借り入れたお金が返せなくなっているということでした。当時、スリランカは定期預金で15%の年利がありましたので、サマンタさんのように担保がない人が借りるには個人の高利貸しから、60%くらいの利子で借りなければなりませんでした。
さらに、シーギリ君がジュートアレルギーになり、妻のガヤニさんが病院へ連れて行かなければならず、生産スピードが落ちた上に医療費・薬代の出費が増えたことで、さらにお金を借り入れなければならない事情があるとのことでした。

確かに自己責任と言えばそうかもしれませんが、やはり開発途上国というのは、小規模の生産者は「①非常に高い利子でしか融資を受けられない」「②病気などになると生産できなくなる脆弱な環境にさらされている」ことを彼の話から、実感することになりました。
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その後、緊急的な資金についてサポートしつつ、何度も話し合いを重ね、アプカスがサマンタさんの数百あるすべての商品を買い取り、彼の当面の生活資金にすることにしました。一方で、サマンタさんの代わりにアプカススタッフが事務所のある都市部のクラフトショップに彼の商品を売り込むことにしました。

三か月ほど、手が空いたスタッフが有名なお土産屋、クラフト問屋に足を運び、担当者と商品を置いてくれないか交渉してみましたが、結果としては散々でした。

クオリティでは他の商品と遜色ないのですが、置いてくれても数個、しかも、原価にすら届かない値段提示も…。また、多くの店の条件が買い取りではなく、実際に売れた分から店がマージンを取り、後日支払うというあまりに店に有利な契約内容でした。

貯蓄もない小規模の生産者にとって、後払い制度では、継続的な生産が不可能になってしまいます。我々は、この三カ月で開発途上国で小規模生産者が置かれる「③立場の強い販売側の有利な条件や価格で取引が行われる」状況を実体験することになりました。

我々は、スリランカの貧困層が集中する農村地域で農業技術のサポート事業、教育支援事業などを実施する中で、

①非常に高い利子でしか融資を受けられない
②病気などになると生産できなくなる脆弱な環境にさらされている
③立場の強い販売側(=仲買人)の有利な条件や価格で取引が行われる

上記の3つの要因が連鎖し、貧困の悪循環に陥っている人々を見てきましたが、同様の状況を一人の小規模クラフト生産者の実生活から経験することになりました。農業であれ、クラフトであれ、「貧困」に陥る構造的な問題があるのです。

その後、サマンタさん、ガヤニさんとデザインやクラフトの話から始まり、2人の馴れ初め、家計のやりくりの話まで、まずは対話を続けました。アイデアやサンプルをやり取りする中で、サマンタさんたちの持っている技術や情熱であれば、日本でも正当な価格で売れる商品を生産し、スリランカの貧困問題に対して新たな角度から取り組むことができるのではないかという思いが我々の中に芽生えていきました。そこで、2009年の秋に、サマンタさん、ガヤニさんを直接的に雇用し、自らで商品開発をしようという結論にいたりました。
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そこから、新たな試行錯誤が始まりました。サマンタさんの自宅の一部にアプカス・ガニー工房として必要な設備を整えつつ、日本と定期的にやり取りしながら、新たなデザイン開発に取り組みました。また、スリランカ事務所では、スリランカのクラフト情報を集めようということになり、各自の空いた時間を使って、アートクラフトの展示会や販売ショップに足を運び、クラフトデータベースを作ってみようという話になりました。

スリランカのクラフト関係者は内向きな方も多く、難しい場面もありましたが、データベース作りを進める中で大きな出会いもありました。それは、バティックアーティストのプレマラトゥネさんエコロジカルペーパー生産を行っているチャミラさんに出会ったからです。
二人には我々の活動や考え方について紹介することから始め、日本人との技術者との交流や日本の関連分野の情報提供などを行いながら、信頼関係を築いていくことができました。二人とも貧困の削減、雇用環境の整備、伝統や環境への配慮に対して理解のある人々で、我々との商品開発に積極的に取り組んでいただいています。また、彼らが今必要としている課題に対して我々が貢献できることもあり、今後の発展を楽しみにしています。

我々は元来、フェアトレードと積極的に関わり、自ら商品をデザイン・販売しようとは全く意図しませんでした。彼の人生の障壁を追体験することで、「少なくても努力が報われる公正な価格で取引されるクラフトがもっとあってもよいのではないか?」というサマンタさんから始まった縁に押し出されるように活動を開始しましたが、まだまだ問題は山積みです。

我々は、他の社会開発事業や復興支援活動があるために、なかなか商品開発やスケジュール管理に目を向ける時間や余裕がないのも事実で、生産体制がまだ整わない中では、それが情報共有や納期の遅れになりました。 また、特にクラフトや技術について専門知識のない我々のようなスタッフでは、技術的な部分で十分に彼らの要求に応えられていない現実があります。その部分のサポートも今後の大きな課題であると考えています。

現在の課題は、以下の通りであると考えています。

・安定生産への体制作り
・他の社会開発事業とのバランス
・安定雇用とモチベーションの維持?
・スリランカは物価が意外に高い?
・コミュニケーションコストの問題
・販売網開拓の必要性
・商品クオリティ向上のための日本からの(専門的な?)サポートの必要性
・お金の使い方などのマネジメント能力の養成

このように、課題は多々あるものの少しずつでも前進しながら、この活動を拡大・深化させていきたいと考えています。


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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)