アプカス プロジェクト

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北海道障害学研究会サポート活動
(北海道函館市)

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当サイトでは、研究会の講演内容についてお知らせいたします。最新の研究会の内容ではありませんが、ご了承ください。

講師:中根成寿 (京都府立大学福祉社会学部専任講師)
テーマ:家族ケアの特性に配慮した支援を -ケアの社会的分有とはなにか-
場所:公立はこだて未来大学 大講義室

講演概要

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配布資料

中根先生の資料に、NPO法人アプカス(担当:伊藤)が、※として適宜加えました。また、※部分につきましては、レジメを補完するための用語や表現の正確性には、留意しておりますが、至らぬ点があることをご承知おきください。

社会学のアプローチ、障害者とその家族へのアプローチ、介護の違いについて

・ディスアビリテイとインペアメントの違い
・医学、発達?理学、社会福祉学、社会学におけるアプローチの違い

・「インペアメント」をもつ人のそばにいて、「無償でケアすることを期待されている人(義務づけられている人)」は「ディスアビリティ」を経験すると考えてよい。「ケアすること」でケアする人は「2次的な依存」状態(fineman1995=2003:181)におかれる。

・世代から見たケアの分類
 第1世代を第2世代がケアする(いわゆる高齢者介護)
 第2世代が第3世代をケアする(いわゆる育児、障害児者ケア)
 第3世代が第2世代をケアする(ヤングケアラー、CODA等)

・子育てにおいては、ケアを受けるものが依存状態から自律状態へ移行していくのに対して、高齢者介護の場合は自律状態から依存状態へ移行していく

・クォルズの「ケアのキャリア Care-giving Career」との関連で、「子育てChildrearing」、「高齢者介護Caregiving」の違い
1)子育ての場合
法的・倫理的保護→第一次責任の維持→介助→監視→助言→観察→完全な相互的自律
2)高齢者介護の場合
完全な相互的自律→観察→助言→監視→介助→第一次責任の維持→法的・倫理的保護
3)障害者の場合(当然ケースによりますが、重篤な障害の場合)
途中のどこかで、中ほどより少し進んだ段階が止まってしまう可能性が高い(クォルズの指摘)

家族介護、役割の分担、介護の私事化と社会化、CAREの持つ多義性、介護という行為の持つ特徴

・家族介護の資源
1)Cash-Care お金とケア
2)お金とケアがあれば足りるのか?
 (※たとえ、お金が十分にあっても、ケアを人に任せることをしない障害児の親も多くいる。ここにケアという行為が持つ特殊性があるとのことでした。)
3)性別役割分業と親和性が高い
(※父親がCash、母親がCareという性に基づく役割分担の傾向があり、母子家庭・父子家庭では、その両方を一人で賄わなければならないという問題を指摘されました)

・上記の問題と関連して、なぜ、家族は介護を手放さないのかという問題に対して
1) 確かに人やお金の不足はあるが、社会サービスが増加すれば解決する?<私事化(家族によるケア)-社会化(社会のサービスの利用)という枠組みの中で>

2) 資源があっても、利用しないことがありうる(社会化への違和感)

3) 感情管理と役割距離の困難性(天田2003:296)

4) 「ケア」という言葉が持つ階層性(労働としての介護、配慮としての見守り・・)
Care for「配慮すること」
Take care of「ケアの運営責任」
Care giving「具体的なケア提供をする」
Care-receiving「ケアを受けること」など

5) ケアを通しての独特の身体感覚(食べ残し、へその緒、身体距離の話、侵入可能性・・・・)(※その上で、「さわる」という身体感覚の問題とDV問題との社会学的な関連性について研究があるとのご紹介がありました)

6) 介護責任の正当性の空虚化(高齢者介護の場合)

7) 家族システムは変化を嫌い、外部からの支援により変化が起こることを望んでいない」(Qualls1977:44)

8) 介護者が要介護者に対して持つ親密な感情は、子ども、自分の親、夫の親の順に遠くなる(天田:2003:268)

9) ケアすることと親性(アイデンティティの強化)

10) 内発的義務(parenthood)

11) 社会はとどのつまり「世話」をすることができない(社会がもつ平等性と画一性)
(※家族が介護の問題について、社会にあるサービスを選びにくい一つの原因として、社会サービスの持つ平等性・画一性が、家族の感情と相容れないという問題が指摘されました。)

12) 立ち入らず、立ち去らず(自己決定のむずかしいところ)

13) ケアの社会的分有へ(人称的連帯と非人称称的連帯)
(※「人称的連帯」とは、家族の介護のような、「その他大勢ではない<あなた>という気持ち」のつながりを基本とした関係を意味する。「非人称称的連帯」とは、「その他大勢ではない<あなた>という気持ち」がなくても成立する、社会による介護サービスの提供のようなイメージで、自発的な連帯ではなく強制的な連帯である特徴があります。)


ケアの社会的分有、介護保険・障害者自立支援法における問題点、ダイレクトペイメント、パーソナルアシスタンスという制度の可能性について

※ そこから、中根先生が提唱しておられる「ケアの社会的分有」への解説へ話が進みました。また、障害児を持つ親世代が亡くなった後の問題、「親亡き後の子問題」、「心中の問題」についてのお話があり、あわせて、成年後見制度の現況、法人後見制度の可能性についてお話がありました。

・ケアの社会的分有とはなにか?
「つまり、家族だけがするのでも、社会にまるごとゆだねてしまうのでもなく、社会(制度)も、親も、本人も、ボランティアも、兄弟も、どこか一カ所に過度に負担をかけずに、関係を大切にしながら、一所に年齢を重ねていけるシステムです。そのためには、きっと税金とその分け方、働き方、家族のあり方、学校、企業など、全てを包括的に考えないといけないでしょう。」

ケアに含まれるCare for「配慮すること」、Take care of「ケアの運営責任」、Care giving「具体的なケア提供をする」、 Care-receiving「ケアを受けること」のうち、
Care for「配慮すること」、Take care of「ケアの運営責任」は、人称的連帯(「その他大勢ではない<あなた>という気持ち」のつながりを基本とした関係)がなければ成立しないのではないか?
 また、Care giving「具体的なケア提供をする」は、原則的に大勢の人によって行われることがありえる(たくさんの介助者を使って自立生活する障害者のイメージ、非人称的連帯でもできる?)

 残念ながら、現状の介護保険、障害者自立支援法サービスは、非人称的連帯モデルであるが故に、人称的連帯を補う補助的サービスとしてしか機能していないのではないか?
→ゆえに、親はケアを完全に手放せないのではないか?・・・でも親って先にいなくなるんだ

 では、分節化されたケアを多様な提供主体にて分けて有してはどうだろうか?たとえば、障害者自立支援法のサービス提供体系から考えてみると
→「介護給付」は昼間はどこでだれにケアを受けるか、が対象
→「訓練等給付」は、昼間と夜間(グループホーム)にどこで誰にケアを受けるか、が対象
→「地域生活支援事業」は、困ったとき誰に相談するか、週末や施設の間の移動、が対象

これらのサービス体系をどのように使うか(ケアマネジメント)、また、またそれらのサービス体系が十全に提供されているか確認すること(権利擁護)の支援は、障害者自立支援法の弱さの一つ!
当事者のために「ケアマネジメント」と「権利擁護」を行うことは、「親性」と親和性の強い行為ではないか?当事者を、世界にたった一人の存在として配慮することは、公では原理的に難しい。

しかし、「親性の社会化」とは社会が完全に親の代わりをすることではない。市野川が指摘するように、社会という言葉は、2重の意味、つまり「平等への契機」であると同時に「画一主義」を正当化する。知的障害者を社会が画一化してきた結果のグロテスクさを我々は既に優生思想や大規模施設処遇という形で知っている(中根2006:174:175)

そのための諸制度として
1. ベーシックインカム
2. パーソナルアシスタンス
3. ダイレクトペイメント

※外部のリンクより
ベーシックインカムについて詳しくは
http://d.hatena.ne.jp/keyword/
パーソナルアシスタンスについて詳しくは
http://www.eft.gr.jp/pa-forum/index.htm
ダイレクトペイメントについて詳しくは

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/08/s0826-2c2.html

これら諸制度を絡めることで、当事者にとって、家族にとって、「身体(インペアメント)」が「障害(ディスアビリティ)」にならない社会を構想していきたい。

講演レポート

中根先生は、知的障害者とその家族の関係について研究なさっている社会学者です。障害当事者の家族の社会学研究者は、まだ日本国内においても少数とのことでした。高齢者介護を抱える私個人の「当事者の家族」の感想として、社会学という枠組みから、私自身の経験も補完していただいたような気がいたしました。介護という問題は、先生も指摘している通り、当事者と介助者の関係を、とても親密化させ、不可分なものとし、そこに自身の生きる糧すら生み出すこともあります。そういった連帯する関係は、あえて言うならば、その揺り返しとして、介護への過度の没入、他者からの孤独感なども生み出すこともあるはずです。ゆえに、こういった当事者と家族の関係を学問として学ぶことは、圧倒的な日常の中で、没入・孤立化している自身に対しても、相対化する、よい機会であったと思います。

先生の言葉を借りれば、「家族の介助者は、自身がインペアメントがないにも関わらず、ディスアビリティを経験をする」構造を持っています。我々は、障害当事者、介護を受ける側の方にだけ視点が行ってしまいます。しかし、それと同時に、「ケアの持つ特殊性」「家族も含めたディスアビリティ」というのは、我々が、もっとも経験する、もしかしたら可能性の高いケースなのではないでしょうか?

そういう意味でも、この分野の研究が進むこと、そして、パーソナルアシスタンスやダイレクトペイメントという制度を含めつつ、当事者とその家族が介護における自己決定できる選択肢が増えるような社会に近づいてゆくことは、きっとそれは豊かな社会に一歩近づくことのではないかと思います。
また、「親亡き後の子問題」などを考えると、ある程度の介護の社会化の問題は避けては通れない問題です。さらに、地方都市に住む人間としては、少子化に加え、若者の都市への流出の問題があり、高齢者介護、ヤングケアラーにおける介護の私事化には、遠隔地にいること、コミュニケーション・情報不足などの理由により、都市よりも限界がある構造があります。その上で、持続的なケアの分有は、今後の重要な課題であると思います。

一方、海外においても、貧困世帯へ対する分析や調査のツール、また、知見は、地域開発分野においても応用可能なのではないかと思います(伊藤)

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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)