アプカス プロジェクト

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ゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム
(スリランカ国西部州ラトマラーナ市)

現況

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ラトマーナ市は、コロンボから車で南に30分ほどの海沿いに場所に位置している中規模都市である。スマトラ沖地震の際には、甚大な被害を受けた街の一つである。

スリランカでは多くのごみを埋め立てているが、都市部住民のごみの分別も進んでいない状況が続いており、行政当局から相談を受けていた。また、内陸に入った地域には農業地域が広がっているが、昨今の化学肥料の高騰で、経営に苦しむ小規模零細農家への新たな収入源の確保が課題となっている。

活動指針

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活動概要

農作物残渣や廃棄物を原料にした紙すきワークショップの開催
エコロジカルペーパーの生産・販売

受益者

付近住民及び近隣小学校生徒のべ85名

目的

従来、農村部・都市部で捨てられていたゴミからパルプを抽出し、紙を作りだすというのが、当活動の大きな特色である。また、都市部と農村部の周辺の幅広い世代に対して紙漉きワークショップを開催することで、実際に廃棄物から紙ができる過程を体験してもらい、“ゴミ=資源”という認識がより深まる効果がある。

・エコペーパー利用促進を通した木材性パルプ使用量の削減による森林資源の保護
・農村部に住む住民への新たな生計向上
・都市部に住む住民の環境意識の向上
・子ども世代の環境意識の向上
・ゴミの減量及び資源の有効利用

活動内容

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実施期間

2008年4月~

活動計画

小規模ながら、ゴミの有効利用を通した「エコロジカル・ペーパー生産プロジェクト」と「紙漉きワークショップ」を開催する。実際の紙作りという行為を通して、環境への配慮意識の醸成を目的とする。

(1)紙生産プロジェクト
 ボランタリーベースでのハンドメイド・エコロジカル・ペーパー生産を行う。

(2)紙漉きワークショップ
 周辺住民と共に紙漉きを実体験してもらうワークショップを開催する。小学校でもワークショップを開催し、子ども世代の環境教育教材として、ゴミ問題や森林保護の必要性についての理解を深めてもらう。

カウンターパート

なし

メンバー

石川 直人(現地コーディネーター)
伊藤 俊介(調整業務・デザイン・販売計画)
栃木 奈津子(デザイン・販売計画)
井塚 摂子(イラストデザイン)
Ms. Kahatapitiya Gamage Shashi Ruwanthika(現地アプカススタッフ)
Mr. Hiniduma(アプカス・エコペーパー・テクニカルメンバー)

予算

80千円

(今後、紙原料として再利用可能な農作物残渣・廃棄物の研究開発を行うための施設建設の予定があり、申請書を作成しています)

活動報告

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進捗状況

実施中

活動レポート

以下の原料のエコロジカルペーパーについて生産・ワークショップを行いました。

①「農作物残渣パルプ原料」

(1)オクラペーパー:従来、収穫後捨てられているオクラの茎を使った紙。オクラは、スリランカではポピュラーな農作物の一つ。

(2)バナナペーパー:バナナ果実収穫後に農薬によって強制的に処分する「バナナ仮茎」をつかった紙。非木材というだけではなく、農薬散布の軽減効果もあり。

(3)藁ペーパー:収穫後の稲からできており、独特の風合いがある。現在、多くの農家では藁に火をつけて処分しているため、野焼きを防ぐことにもつながる。

(4)トウモロコシペーパー:茎と、実の周りの皮を使った紙。路上でトウモロコシを茹でて販売しているところがよくあるが、その脇には、皮の山がゴミとして捨てられている。路上のゴミ減量に一役買っている!?

②「廃棄物パルプ原料」

(1)古着(布):縫製工場から日々大量に捨てられる布の切れ端。小さな切れ端は、使い道がなく燃やされている。そんな、布から紙が!!色々な色が混ざり不思議な色合いを持つ紙。地道に布を色別に選別すれば、様々な色の紙を作ることも可能。

(2)古紙:近年少しずつ古紙の回収が進んでおり、リサイクルペーパーも普及しつつある。上記のエコロジカル・ペーパーを作成するときに、強度を高め、通常は古紙パルプを混合するため、エコロジカル・ペーパーの影の立役者の古紙パルプであり、それぞれの古紙の風合いを生かした紙作りも可能。.

「エコロジカルペーパーによる環境教育プロジェクト」では、当法人のスタッフが中心となり、小学生や一般市民を対象に紙漉きワークショップを開催しました。オクラの茎ペーパー、バナナペーパー、藁ペーパー、トウモロコシペーパー…ワークショップで作ったすべての紙の原料は、農作物残渣や古紙。元来捨てられているゴミが、「資源=紙」に変わっていく姿を体で感じることで、人々の気持ちや考えまでも変わって行く素晴らしい瞬間が何度もありました。

実際、ワークショップで漉かれた紙は、日本で10 月に開催されたグローバルフェスタに出展し、エコノートブックを多数の方にご購入いただきました。また、当法人のパンフレットの一部もこの紙を使用することとなりました。今後は、この活動をさらに発展させ、生計向上としての製品化、紙漉きワークショップを環境教育ツールとしての積極的な活用も予定しています。

担当者レポート

当プロジェクトのテクニカル・ディレクターであるヒニドゥマさんは、紙作りの専門家。ポケットマネーでハンドメイド紙製造器材を購入するほど、これまでもエコロジカルペーパー活動に熱心に取り組んできました。彼の紙と環境に対する思い入れと製造工程への深い造詣は、私も敬服しています。また、左記の通り、現段階でも非常に多くの種類のエコロジカルペーパーを生産できるということが、おわかりいただけると思いますが、これは「彼の試行錯誤の賜物」そのものなのです。その裏では、たくさんの失敗があったと笑って話す姿が、印象的です。

R0018632.JPGごみや廃棄物からのエコロジカルペーパーを作るという当活動は、様々な可能性を秘めているのではと思います。私石川もこの工房に定期的に足を運びますが、子どもから大人まで、幅広い世代の方が、楽しそうに紙を漉いている姿を見ていると、「体得する」高い環境教育の効果があるように思えます。学校でのワークショップでも、子どもたちの評判も上々で、来年からは、例えば、その紙に環境をテーマに絵を描いてもらうというのも面白いのでは?とスタッフとも話が盛り上がっています。

実は、近郊にあるモラトゥワ大学工学部の学生グループのこのプロジェクトを興味をもっているらしく、中にはエコロジカルぺーパーの研究開発を卒業研究にしたいという学生さんもいました。来年度は、資金面の条件さえ整えば、ぜひ実験施設を作り、より多種の廃棄物由来の紙を生産できれば、環境保全と生計向上を両立する活動になるのではないかと確信しています。

また、古紙配合率の偽装問題が起こった日本でも、古紙100パーセントというだけでなく、捨てられている「資源」を原料とする開発途上国発のエコロジカルペーパーの数々は、きっと、皆様に「生活の中で使いながら環境について考えてもらえるツール」になるのではと思っています。実際、日本で開催されたグローバルフェスタに出品した時も、非常に好評頂き、予想以上の売り上げでした。買っていただくだけではなく、日本の方と一緒にデザインしてみるというのもとても面白いのかもしれません。

アプカス・テクニカル・ディレクター、ヒニドゥマさんより

R0018589.JPG当活動を発展させ、ゆくゆくは貧困者の収入向上の一手としてこの技術を広めて行きたいと思っています。

「スリランカでも毎日山のように捨てられていく紙。そんな紙を眺めながら、「もったいないな~」とふと思ったのがこの活動の原点です。捨てられる紙から手漉きでもう一度紙を作る。実は思ったよりも簡単で楽しいのです。そんな喜びをシェアしながらそして環境にも優しい活動ができることに生きがいを感じています。

非木材パルプから作った紙を使うことは、森林保全にもつながるのです。50年前、スリランカの森林保有率は50%以上ありました。ところが現在、15%以下にまで落ち込んでいます。この問題は、スリランカだけではなく多くの開発途上と呼ばれる国々で顕著化していると聞きます。そんな大きな問題の解決にはつながらないかもしれませんが、我々が一枚ずつ漉いた紙が何か小さな意味を持っていることを信じて作り続けています。」

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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)