アプカス プロジェクト

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地滑り災害被災地における総合的支援
~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~
(スリランカ 中部州・ワラパネ郡地域)

現況

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2007年1月12日、スリランカの中部州・ワラパネ郡、ハングランケタ郡において地すべりが発生し、甚大な被害が出た。協力団体であるグリーンムーブメントオブスリランカ(GMSL)が中心となり被災地での支援活動を展開した。2月には、まごころ基金の支援を受けて、トイレ建設などの避難キャンプの衛生向上事業を行った。被災後11ヶ月以上がたった今、一部の被災者は家に戻り生活を再開しているが、地滑りの再発の恐れがあるため家に戻ることを禁止されている人も多い。そして、現在も20箇所の避難キャンプが存在し、 1200人以上がテント生活を余儀なくされている。11月上旬に行われた調査により、現在、被災者が直面している問題が下記の8項目である事が明らかになった。

①住居=支給されているテントの老朽化が著しく、雨漏り等の問題

②水=天候による水源(地表水を集めたもの等)の枯渇。

③教育=適切な学習環境・設備がない。

④経済=耕作が出来ない事による現金収入の減少。

⑤衛生=トイレの不足やハエなどの発生。

⑥電気=夜の安全性やオイルランプ使用による健康への悪影響。

⑦ガバナンス=調整不足による支援の不平等や問題解決への行動が停滞。

⑧ストレス=避難生活長期化による様々な問題により発生するストレスの増加。

また、これらの問題と平行に存在する最大の問題が移転先=土地の確保である。ワラパネ郡では移転候補地がいくつかあるものの、政治的な問題や地理的な問題が絡み、土地の確保がスムーズに進んでいない。この状況の中、移転が実際に行われるまでには少なくとも6ヶ月以上要する模様である。そして、避難生活の更なる長期化が懸念されている。GMSLの支援は続いているものの、被災地が広範囲であることまた土地問題などの問題により避難が長期化しているという背景のもと、さらなる総合的な支援が求められている。

活動指針

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活動概要

難生活が長期化する中、各避難キャンプがかかえる問題は多面的ものとなっているのと同時にその優先度も画一的なものではない。限られたリソースの中で効果的な支援を行うためにも、それぞれのニーズにあったきめ細かな支援が求められている。

当事業では、ワラパネ郡の避難キャンプにおいて総合的支援;

①上記8項目の問題解決支援

②行政と被災者との連携を強化し被災者支援促進へ支援。この2つの活動のうち、②ソフト面の活動を中心に下記の支援を行う。

・全被災者を対象としたワークショップを一度開催

・GMSLスタッフが各避難所を一週間に一度の頻度で巡回し被災者の組織化・エンパワーメントを進め、フォローアップワークショップ(被災者代表&行政官を集めて)を2週間に一度開催

・ニュースレター発行による情報の共有

受益者

5つの避難キャンプの140家族(519名)

目的

行政と被災者との連携を強化し被災者支援を促進する

活動内容

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実施期間

2007年12月 >> 2008年3月

活動計画

テントでの避難生活が11ヶ月以上も続いているが、ワラパネ郡では、様々な問題を背景に、土地の確保がスムーズに進んでいない。この状況の中、移転が実際に行われるまでには数ヶ月以上要する模様であり、避難生活の更なる長期化が懸念されている。また、津波・紛争地域と比べると国内外の注目度が低い事もありほとんど支援が入っていない。限られた資源=支援を最大限有効に利用するためには、被災者自らが問題解決に取り組み姿勢が増すことと、被災者と行政との関係(連携)の強化が欠かせない。また、将来的に移転作業が進んだとしても、被災者による積極的な関わりがなければより良い復興活動が進まないであろう。

当活動ではまず、全被災者を対象としたワークショップを一度開催する。(場所はワラパネ町の集会所を使用)このワークショップには、数名の有識者や弁護士らが参加し、法律的にどのような解決方法があるのかなどのアイディアを被災者に提供する。そして、被災者が現在どのような問題を抱えているのか、そして、どのような支援を望んでいるかを被災者間で共有する。政府関係者にも参加を要請し情報の共有化を進める。その中で、この問題の解決法や、それに向けて被災者自ら何ができるのかを模索する。このワークショップは、他人に頼るだけではなく、自らが問題解決に直接参加する方法や、連携する方法を提供する場となる。

また、GMSLスタッフが各避難所を一週間に一度の頻度で巡回し被災者の組織化・エンパワーメントを進め、フォローアップワークショップ(被災者代表&行政官を集めて)を2週間に一度開催する。このワークショップは郡事務所事務次官をキーパーソンとして行われ、各避難所の代表たちが郡事務所に集まり話し合い行い、被災者と行政との連携を促進する。そして、話し合われた内容をニュースレターとして発行し、情報共有を促し、様々な問題が現在進行形である事を被災地内外に周知させ、“忘れ去られている問題”への関心度を上げる。その結果として、問題解決の促進が期待される。

カウンターパート

グリーンムーブメント・オブ・スリランカ(GMSL)

メンバー

石川 直人(現地コーディネーター)
伊藤 俊介(国内調整業務)

予算

当団体としては0円

(この事業は、グリーンムーブメント・オブ・スリランカが行い、アプカスは協働NGOとして全面的にバックアップしています。また、グリーンムーブメント・オブ・スリランカには、JOCAまごころ基金より助成が行われています)

活動報告

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進捗状況

終了

活動報告レポート

① 総合ワークショップ

12月28日ワラパネ町の集会場にて、避難生活の中に広がる様々な問題を自らが積極的に解決していく事と、被災者と行政との連携の強化を目指したワークショップを開催しました。このワークショップには、Dr.Dasanayake(消費経済局アドバイザー)、Mr.Karunarathna(モラトゥワ大学教授・地理学)、Mr.Gunarathna(教育省アドバイザー)、Mr.Samankumara(弁護士)がファシリテータとして参加しました。また、行政側からは、住宅開発局、土地管理局の職員が参加しました。被災者は、18のキャンプより延べ312名が参加しました。

町から遠いキャンプの人びとの中には2時間もかけて会場に来た人もいました。これほどの人数が一堂に会することは初めてであり、当日会場は異様な熱気に包まれていました。まず、主催者がこのワークショップで目指すものは何かを説明し、ファシリテータの自己紹介と続きました。その後、事前に被災者の代表として選ばれた5名(男性4 名、女性1名)によって各キャンプが抱える問題が発表されました。その後、その場でどうしても意見を述べたい被災者が3名(女性2名、男性1名)発言をしました。そして、被災者によって挙げられた様々な問題に対してファシリテータがいくつかの質問を行いました。この質問には、行政側に向けられた質問もありました。例えば、「キャンプに物資を提供するのは誰の責任か?」(ファシリテータ)「県事務所が一括している。その上はどこが担当しているか知らない…」(行政官)。「移転をするならどこか適当な土地があるのか?」(ファシリテータ)「キールティバンダープラというところに50エーカーの土地がある。そこなら、地滑りの再発はない。」(被災者)など。これらの質問を繰り返すことにより問題の明確化を進め、どこか管轄しているのかを洗い出していきました。また、被災者に質問を投げかける事により、被災者も行政機関の仕組みなどを学び、どのような対応をとれば良いのかなどの理解を深めていきました。その後、ワークショップは「Alternative People’s Tribunal: APT(人びとによる代替的裁判)」へと移りました。

APTでは、弁護士が中心となり擬似的裁判の形で話し合いを進めます。様々な問題が多面的かつ横断的に絡まっている被災者の問題の場合、個別に処理するのが難しいため、それらを包括的に整理して報告書を作成し、関係機関に対して送付し回答を求めるというものです。ただ、有識者や我々が報告書を作成するのではなく、被災者の生の声を集め、多くの被災者の共通の思いとして報告書に盛り込むということがAPT では重要となります。弁護士が会の進行を行い、ファシリテータ3名が裁判官役とし被災者の声をまとめました。最終的に、関係者の署名を添え報告書を完成させ政府関係機関(大統領府、災害管理・人権省、災害支援・復興省、県事務所、環境省、土地管理局、都市開発局等)に送付しました。

② キャンプ代表と行政側との調整会議
32.jpg郡事務所を中心としてキャンプ代表と行政側との調整会議を5回開催しました。行政側の都合により定期的な開催は出来ませんでしたが、約2週間に一度の会議を行いました。参加者は、主要なキャンプ(ナーランタラーワ、タミルスクール、エゴラカンダ、コミュニティセンター、キーナゴッラ、ウダマードゥッラ、ニルダンダーヒンナ)の代表者及び、郡事務所事務次官、社会福祉サービス官、公衆衛生官、CBO(地元地域グループ)でした。話し合いを進める中で、現在行政側が抱えている問題等(限界)を被災者と共有する事ができ、行政に対する被災者の視点にも多少の変化が生まれました。また、郡事務所にストックされている支援物資の配給も会議を通してスムーズに行われました。郡事務所としては、被災者から直接要望が来ないと支援物資の提供は出来ないという立場にいるのですが、被災者はその様な決まりを知らないため、正式な要望を出さないでいるという問題が多くありました。会議を通して、お互いの誤解を解くことが出来ました。

③ ニュースレターの発行
調整会議の開催に合わせてニュースレターの発行を行いました。会議で話し合われた内容や、その他中央政府レベル決められる事(見舞金の上限や支払い方法等)など、被災者にとって必要となる情報の提供を行いました。ニュースレターは避難キャンプと中心として配布し、キャンプ以外で避難生活を送っている人びとにも届くように配慮しました。ニュースレターの配布を通して、政府による支援の動向などを伝えるとともに、現在被災者が抱える問題の共有化を進めました。また、政府機関、国連機関及びドナーに対してもEmailを通して送付し、問題の再認識を促すと共に、全国紙(Lakbeema)にも問題を取り上げてもらい、国内での注目度を上げることに繋げました。

担当者レポート

現在避難生活の中に広がる様々な問題を自らが積極的に解決していく事を目指し、被災者の組織化や行政との連携の強化を目指し活動を行いました。 2007年 12月に全被災者を対象とした総合ワークショップを開催し、18キャンプより312名の被災者が参加しました。このワークショップでは問題の共有化及び解決策の模索を行いました。その後、各キャンプの代表と行政側との調整会議を5回開催しました。この会議では、被災者・行政側が直面している問題をお互いに理解することにより、お互いの信頼関係を向上させ、可能な支援を滞りなく進む関係作りを行いました。そして、それらの場で話し合われた情報をニュースレターとして発行し、全被災者間での共有及び、外部者への発信も行いました。また、被災者が中央政府関係者と協議する機会を設け、様々な問題解決を前進させることにも繋がりました。

project summary

APCAS and Sri-laPnka Goverment permitted NGO, Green-Movement of Sri lanka(GMSL), has worked together more than 1 year since land-slide disaster occured in January 2007. Most of victims still live in tents. because they have been under such tough condition, their physical and mental condition has been also getting worse day by day.

So we investegated their needs and became clearer 8 problems they met below. but first of all, there is concern that land acquisition in other region for victims has made little progress.

1.Residence
2.Water
3.Education
4.Bread and Butter Isuue
5.Sanitation
6.Electricity Isuue
7.Governance(Unfairness for Infomation Resource)
8.Stress

We adopted "allocation of responsibility for appropriate action approach". This approach needs much more time to conclude, however this would be substantially superior to usual one-sided support in that land-slide people discussed what they really need, accommodated other opinions and organized information together within budget. When we adopt it, what is most important is the process they select from among several options with thinknig about thier community first and , if they could do, maintain system and facilities by their own with responsibility, which would generate pride and mental independence finally. at least we believe so.

In this project with GMSL, we focused on the Soft Side of Community, which corresponds to problem number 7 and 8 above. Consequently we planed 3 programs with having dialogue with relevant people together below.

1. Holding of the workshop to reinforce collaboration and to develop common awareness for solving problems.
  ・ 312 participants from camps,
  ・ Government Staff

Dr.Dasanayake(消費経済局アドバイザー)
Mr.Karunarathna(モラトゥワ大学教授・地理学)
Mr.Gunarathna(教育省アドバイザー)
Mr.Samankumara(弁護士)as facilitators

2. Holding of the conference between the representatives from camps and government staff (held 5 times totally).

3. Producing newsletters to share infomation more.

This Project had been supported by "JOCA Magokoro Fund",

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災害復興支援活動(スリランカ)


LinkIconスマトラ沖地震にともなう被災者への支援プログラム(2005)

LinkIcon地滑り災害被災地におけるBHN充足に向けた支援(2007)

LinkIcon地滑り災害被災地における総合的支援~グリーンムーブメント・オブ・スリランカ協働事業~(2007)

LinkIcon地滑り被災者に対するBHNの充足と自立型復興促進のための自治組織力の強化(2008)

LinkIconハングランケタ郡地すべり被災民移転地における参加型水供給プログラム(2008)

LinkIcon津波移転住宅における家庭菜園導入によるゴミ問題の解決(2009)

LinkIcon地滑り被災者移転地区における住宅建設へのコンクリートブロック提供と自治組織の強化(2009)

LinkIconスリランカ北東部内戦避難民子ども支援プロジェクト~小さな笑顔プロジェクト~(2009)

LinkIcon地すべり被災地域における校舎建設と学校菜園運営を通した教育支援(2010)

LinkIcon地すべり移転地区における子どもクラブの運営(2010)

LinkIcon地すべり被災地における農業を中心とした総合的な生計向上支援(2010)

LinkIcon地すべり被災者への住宅資材の提供事業(2010)

LinkIcon北中部州洪水被災児童への学用品の緊急支援活動(2011)


災害復興支援活動(日本)


LinkIcon東日本大震災『緊急支援活動』(2011.03-05)

LinkIcon東日本大震災『復興支援活動』(2011.06-08)

LinkIcon大震災被災地へ物資を直接支援「あくしゅプロジェクト」(2011)

LinkIcon東日本大震災『中長期支援活動』(2011.08-2012.03)

LinkIcon東日本大震災『仮設住宅の住環境改善支援』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2012.04-2013.03)

LinkIcon東日本大震災『コミュニティ構築支援活動』(2013.04-2013.12)


地域開発事業


LinkIcon生計向上と地域の安定を目指した家庭菜園の普及活動(2007~)

LinkIcon農村地域のアトゥンゴダイシパタナ小学校校舎新築及び環境教育の普及(2008)

LinkIcon識字率向上へのチルドレン・ハッピー・プランinスリランカ~子どもが子どもに教える。そこから広がる大きな幸せの輪~(2008)

LinkIconゴミから紙を作る!エコロジカルペーパー・ワークショップによる環境教育プログラム(2008)

LinkIcon僻地農村貧困地区での分散型エネルギー普及の調査・建設プロジェクト(2008)

LinkIcon住民主体の森林再生~「貧困⇔森林破壊」負の連鎖を断ち切る~(2009)

LinkIcon干ばつ地域での女性に配慮したコミュニティ主導防災計画の立案(2009)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市ボルゴダ湖の自然環境保全(2009)

LinkIcon僻地農村の子どもへのコンピューター&インターネット技術の普及活動(2009)

LinkIcon僻地農村のティッサカニトゥ小学校修繕および菜園による栄養改善事業(2009)

LinkIconウィルガムワ郡の教育設備の整備および教育の重要性についての啓発事業(2009)

LinkIcon食料・平和の確保に資する家庭菜園&有機農業普及のための農業研修センターの設立(2009)

LinkIconスリランカ僻地における学校建設を通した教育支援事業(2009)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2009)

LinkIconスリランカ紛争及び津波被災地域における子どもの栄養改善とメンタルケアプログラム(2009)

LinkIconパルゴッラ幼稚園&図書館の新築プロジェクト(2010)

LinkIcon僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援~子どもの健康改善に向けて~(2010)

LinkIconおが屑の有効利用を通したモラトゥワ市・ボルゴダ湖の自然環境保全(2010)

LinkIcon水質の改善、水資源の有効利用を通した地域開発プロジェクト(2010)

LinkIconアプカスを通した直接支援スキーム「おんこ基金」プロジェクト(2010)

LinkIconスリランカと日本を結ぶアートクラフト開発プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者のフットマッサージ師就職促進プロジェクト(2010)

LinkIconガルカダウェラ幼稚園新築プロジェクト(2010)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2011)

LinkIcon視力検査と視力矯正を通した子どもの健康増進と学習環境の整備(2011)

LinkIcon家庭菜園普及と農業組合および女性グループの組織強化支援(2011)

LinkIcon農業生産加工や省エネ商品の販売促進による生計向上支援活動(2011)

LinkIcon英語クラブと補講クラスの実施を通した学業支援活動(2011)

LinkIcon家畜飼育の導入による貧困削減と地域の平和促進(2012)

LinkIcon視覚障がい者雇用促進のためのマッサージサロンの運営(2012~)

LinkIcon乳牛飼育の導入と生乳販路確保による貧困削減(2013)


教育講演活動


LinkIconスリランカ・スタディツアー・コーディネート(2008)

LinkIcon北海道障害学研究会サポート活動(2008)

LinkIcon教育機関での国際協力に関する講演活動(2008)

LinkIconBOPビジネス及び社会起業に関するフィールド調査(2010)


情報の共有活動


LinkIcon現地パートナーNGO/シッダールタ チャイルド ディベロップメント ファンデーション(SCDF)